重松清の『ビタミンF』を読んだ。2000年に新潮社より刊行され、第124回直木賞を受賞した短編小説集だ。私が読んだのは文庫版(新潮文庫)だ。図書館から借りたのではなく、久しぶりに書店で買ってきた。全編とも2000年頃に『小説新潮』に掲載されてもので、「ゲンコツ」、「はずれくじ」、「パンドラ」、「セッちゃん」、「なぎさホテルにて」、「かさぶたまぶた」、「母帰る」の7篇が収録されている。2002年にはNHK-BS2で「かさぶたまぶた」以外がドラマ化され放送されたらしい。観てみたい。各編の登場人物に関連性はないが、主人公は37,8歳の男性で、働き盛りの家庭持ちで子供が一人か二人いる設定になっている。…