ゲオルグ・ビューヒナー Georg Buchner(1813-37) ドイツの劇作家、自然科学者。23歳の若さで夭折し生前にはほとんど無視されたに等しかったが二十世紀に入ると再評価というよりも「発見」され、現在では十九世紀ドイツ文学でもっとも重要な文学者の一人であるとされる。作品にドイツ史上最初の革命劇『ダントンの死』、おなじく最初にプロレタリアートを主人公としたと言われる『ヴォイツェク』、唯一の小説『レンツ』などがある。
この作品、あるいはこの文体は、私にとって一つの理想と言えるものです。 といってもドイツ語の原文で読んだのではなく、手塚富雄訳「狂ってゆくレンツ」として、集英社の『ドイツ短編24』という本の中に収められているもので読みました。 現在では、岩波文庫で岩淵達治訳のものが手に入ると思いますが、私にとっては、この手塚訳の方が、最初に読んだこともありしっくりときます。 学生時代にパウル・ツェランという詩人に興味を持ち、その周辺をいろいろと調べていたことがありました。そのつながりで、このビューヒナーの作品に出会いました。 ツェランについてはまた書いてみたいと思います。特に、ビューヒナー賞受賞講演の「子午線」…
『集英社ギャラリー世界の文学』をまとめ買い とてもきれいな本なので、箱イラストと内容を紹介したい 第1巻 古典文学集 第2巻 イギリス I 第3巻 イギリス II 第4巻 イギリス III 第5巻 イギリスⅣ 第6巻 フランス I 第7巻 フランス II 第8巻 フランス III 第9巻 フランス Ⅳ 第10巻 ドイツ I 第11巻 ドイツ II 第12巻 ドイツ III 第13巻 ロシア I 第14巻 ロシア II 第15巻 ロシア III 第16巻 アメリカ I 第17巻 アメリカ III 第18巻 アメリカ III 第19巻 ラテンアメリカ 第20巻 中国 アジア・アフリカ おまけ:新刊…
こんにちは😃 キーワードは、「否定の道」、「思考や行動の誤りを排除する」、「何が成功をもたらすかは分からない、でも、何が成功を妨げたり失敗するのかは分かる」、「幸福を手に入れるのではなく、不幸を避ける」 また、平均値ってある意味マジックです。 例えば、体重50kgの女性25人、70kgの男性25人が乗った平均体重は、*1/50=60kgです。ここに、体重120kgの人が乗った場合。*2/(50+1)=2,747万円です。 この数字のマジックを知っておくと、詐欺などにも騙されにくくなります。 オーディオブック紹介シリーズ(No.226)から「Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く…
よそ者たちの愛 (エクス・リブリス) 作者:テレツィア・モーラ 発売日: 2020/03/25 メディア: 単行本 ★★★★★ 孤独や言い知れぬ閉塞感を抱えながら、都市の片隅で不器用に生きる人々。どこにでも、誰のなかにも存在する“よそ者”たちの様々な思いを描く。ハンガリー系ドイツ語作家によるほろ苦くも胸に沁みる十の物語。ブレーメン文学賞受賞作品。ドイツ語文学の最高賞、ビューヒナー賞受賞作家による短篇集。 「普通」から外れてしまった人たちが、非力な自分の力でどうにかしようともがいたり、ひと時誰かと番ってみたり、前に進もうとしたり、道に迷ったりしている。短編集なんだけれど、人物や景色がシンクロして…
動画による授業は、本や資料を紹介しやすい これまでカメラを何台も買い足したり、撮影方法をあれこれ試みたり、背景に鹿やウォンバットを走らせたりといった、授業動画についての記事を何回か書いてきました。 schlossbaerental.hatenablog.com schlossbaerental.hatenablog.com 今回は、これまでのような技術的な話ではなく、授業の内容についてもう少し紹介します。 オンライン授業を始めるにあたって、これまでの対面授業に比べてどんないいところがあるかと考えてみて、すぐに思いついたのが、資料や本を紹介しやすいという点でした。 もちろん、これまでの対面授業で…
はじめに。 欲しいものを一つあげるなら何だい? やっぱりノーベル賞だね。 オーストリア出身の現代作家であるペーター・ハントケさん。(Peter Handke 1942-) 昨年ノーベル文学賞を受賞して、色々な意味で話題になった方。 注目すべきは彼の作家としての守備範囲の広さで、小説や戯曲はもちろんのこと、放送劇やフランス文学の翻訳なども手掛けているみたい。 1966年に小説『蜜蜂』で作家デビューしたペーターは、毎年一作品のペースで作品を発表していきます。 その生涯 少年時代 戦争による荒廃が広まるなか、幼いペーターを連れたハントケ一家はベルリンのパンコウ地区という場所に移住します。 しかし、ペ…
ドイツ文学 テレツィア・モーラ Terézia Mora 『よそ者たちの愛』 みな苦しみもがいている。 よそ者たちの愛 (エクス・リブリス)作者:テレツィア・モーラ発売日: 2020/03/25メディア: 単行本 テレツィア・モーラ Terézia Mora おまけ 過去への執着、郷愁、理想の自分。何かに捕われながらも必死に前へ進もうともがく「よそ者たち」の物語。彼らは解放されたがっている。そして自由へ向かって走る。車で、自転車で、そして自分の足で。 しかし、なかなか前進することは出来ず、気付けば元の場所へ戻ってしまっている。そして感じる敗北感。 最後には起点に戻らずにはいられないために、引き…
ハインリヒ・フォン・クライストの本『チリの地震』が読みたくなったが手元になかったので買った。 チリの地震---クライスト短篇集 (KAWADEルネサンス/河出文庫) 作者:H・V・クライスト 発売日: 2011/08/05 メディア: 文庫 あらすじは細かく覚えていないが、大地震でパニックになった民衆が扇動され、まったく関係ない主人公とその子供がなぶり殺しになるというネガティブな話である。 最初に読んだのは学校でドイツ文学の授業をとっていたときで、他にもビューヒナー『レンツ』など、不穏な本を読んで非常に面白いと感じた。 いま日記を検索すると2010年に再度『チリの地震』を買った記録があるが、読…