人生で一番大切なことは思い出をつくることだ、一度きりの人生で何をしたいのか真剣に考えよう――という訴えはよくわかる。 しかし「財産を使い切らずに死ぬことは、非効率の極み」という概念にはあまり賛同できない。そもそも人間は、すべての身体機能が0になってから死ぬわけではない。脳や筋力、骨が丈夫であっても心臓が止まって逝く人もいる。つまり、死ぬまである程度の体力も財力も、余裕を持たせるほうが自然、というのが私の考えだ。 DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール 作者:ビル・パーキンス ダイヤモンド社 Amazon この本を読んで特に引っかかったのが、遺産の残し方についての記述だ。…