とりあえず、じゃないビールたち 「さぁ、どんどん飲んで」そう言われて注がれたビールを私がもてあましていると 「飲まないと苦くなっちゃうから。ビールはさっさと飲まないと注いだ人に失礼になるんだよ」 ザ・昭和な考えがまだまだ幅をきかせていた頃には、堂々と部下に飲酒を強いる上司もたくさんいた。私がビールを嫌いというわけではなく、ねちねちとアタリメを嚙みながら大口をあけて笑い、喋り続ける上司が飛ばした唾が入ったビールを喜んで飲むきにはなれなかっただけの話しなのだが、この上司のような人は、一軒目のお店に入るなり席に座わってもいないのに近くにいる店員さんをつかまえて「とりあえずビール5,6本もってきて」な…