佐々木徹訳『荒涼館』海外文学というかディケンズをよもうとしなかったことを後悔させる作品である.あと10年,はやく気づいていたらじっくり読むことができたろう.**岩波文庫で4巻とも500ページ,全2000ページの大作.各巻頭には「主な登場人物」のリストと「荒涼館のロンドン」「荒涼館の裁判所周辺」という2つの地図があり, 人名や地名が覚えれない私にはほんとに役に立つ参照ページであった.さらに,第2巻からは前巻の「あらすじ」が見開き2ページできっちりまとめられていて訳者佐々木徹の仕事ぶりがうれしい.**第4巻は,さまざまな因縁と謎がひとつの悲劇に収斂していく. 荒涼館 影 「推理小説」的要素といえば…