イギリスの社会派、巨匠ケン・ローチの作品はこれまでもいくつか紹介してきましたが、今回はリバプールの港湾労働者の闘いを描いたドキュメンタリー『ピケをこえなかった男たち リバプール港湾労働者の闘い』のレビューです。イギリスのリバプールで1995年に起きた500人もの港湾労働者の解雇問題は、当時メディアからほとんど無視され、組合の上部団体からも見捨てられた闘いでしたが、そんななか、ケン・ローチは闘いの様子を記録し、闘う労働者たちを励まし続けました。 ■500名の労働者の解雇■ 1989年、イギリスでは港湾労働法が廃止されました。これによって何か起こったかというと、雇用の日雇い化です。リバプールを除き…