映画「長崎の郵便配達」がよかった。 ので、図書館でそのもとになった書籍を借りてみた。 これがいいんだなぁ。 もちろんスミテル少年の被爆体験を語っているのだが、生まれてから被爆前、被爆、被爆後の生活、考え方、人との交わり、戦争遂行者たちの考え、そして作者(戦闘機パイロットだった)自身の考えなど、様々な視点や光景がないまぜになって、うねるように思考を揺さぶってくる。 自然を愛していたという作者の表現は、暗く重くなりがちな被爆体験談に別の視野角を持ち込んでくる。 戦争遂行者たちの考えや科学的データの端的な記述が、視野を広げてくれるとともに、読者である自分の立場を感じ考える上での材料を提示してくる。 …