これは2020年のドキュメンタリーであり、つまりもうホロコーストの当事者たち、それは、被害者、加害者ともに、その当事者であった人たちの直の証言を得るのは難しい時代になりつつある。 今回のこの映画でインタビューを受けている人たちは、ヒトラーユーゲントのさらにその下部組織に、たとえば10歳の時に加わったときけば、この人たちを断罪しようという気にはとてもなれない。しかし、インタビューを聞いていくうちに、だからこそ、この人たちの罪の意識、罪悪感が、むしろ今の私たちに切実な、近接する意識になることに気がつかずにいられなかった。 最大に関与していた人でもせいぜい収容所の塀の監視役とか、子供のときにユダヤ人…