フリッツ・ライバーの書いた古き良き時代のヒロイック・ファンタジー。 タイトルどおり、剣士(っぽい)ファファードと盗賊(っぽい元魔法使い見習)グレイマウザーの二人を主人公とする冒険譚。全五巻*1だが、東京創元社からは3巻までしか刊行されてなかった。が、なぜか20年ばかり経ってから新装で5巻とも出ることになった。
*1:本当は6,7巻もあるが
◆『九(ここの)』岩田宏 ブラッドベリなどの翻訳で名高い小笠原豊樹(の方が本名らしい)、小説家・詩人として名である岩田宏によるオムニバス型の長編。プロローグから推測するに、終戦から20年ほど、1960年代半ばくらいが舞台。鎌倉の空き家に一人暮らしをすることになった独身の文学青年の日々、主に男女関係のあれこれが描かれる。1998年刊行。昔の鎌倉の様子がわかるかなと思ったがそういった要素はそれほど仔細に描かれているわけはなく、また翻訳家的な面が表に出ていることもなく、つまりはまあ期待をしていたような作品ではなかった。いわゆるオールドスクールな日本文学。当時の文学サークルのカルチャーみたいなものや、…