前回は、ハムレットの手紙とその詩とオフィーリアの歌う歌を、対称に描かれているものとして、その手紙と詩を心の内を他者に伝えるための媒体として考察しました。今回は、前回考察したこの過程をルネサンス思想の下に、読み直してみたいと思います。 このブログで、たびたび登場していますマルシリオ・フィチーノは、その著書『三重の生について』(De Vita Triplici, 1489 ) で、知識人の健康と養生について論じていますが、その養生のための処方として、音楽にとても重きを置いています。フィチーノの理論の中心となるのは、前前回の記事、26.ルネサンスの憂鬱質 - ハムレットのシンメトリー, 22.精気 …