Philip Yordan アメリカ映画の脚本家。赤狩り時代のブラックリスト脚本家の「フロント」として有名。 出身 アメリカ合衆国イリノイ州、シカゴ 生年 1914年4月1日 没年 2003年3月24日
アンソニー・マンの『最前線』(1957)、『神の小さな土地』(1958)では『アスファルト・ジャングル』(1950)の脚本家ベン・マドウのフロントを務めた。
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最前線 [DVD]
神の小さな土地 [DVD]
マカロニ・ウエスタンやアメリカン・ニューシネマの先駆けのような作品で 復讐の鬼の主人公も、グレゴリー・ペックより いかにもクリント・イーストウッドが演りそうな役柄 原作があるということなので たぶん「罪人を赦す」という宗教的な教えと 怒りや憎しみといった実際の人間の感情の アンバランスがテーマなのだろう、とは思うんですが 女性がレイプされたり、真犯人が別人だったという 決してスカッとしない結末を 無理やりハッピーエンドにするのは、やはり違和感がありますし 主人公の気持ちの変化も突然で、伝わらない (この頃のペックはまだ大根役者と呼ばれている) それでもオープニングの音楽からワクワクするし ブレ…
ローマ帝国の滅亡 [DVD]ソフィア・ローレンAmazon この作品、前作『エル・シド』を撮っていたアンソニー・マンは、本屋の店頭でギボンの『ローマ帝国衰亡史』を見つけて買って読み、スペインに行ったときに製作のサミュエル・ブロンストンにこの本の映画化を売り込んだことから始まったらしい。 って、原書でも全6巻ある大書をどう映画化するつもりだったのかと思うが、映画はその第1巻のさいしょのところ、マルクス・アウレリウスのローマ治世の時代から彼が暗殺され、息子のコンモドゥスが皇帝となり、そのコンドモゥスも死ぬまでの話。 アンソニー・マンもプロデューサーのサミュエル・ブロンストンも、またチャールトン・ヘ…
エル・シド(デジタルニューマスター版) [DVD]チャールトン・ヘストンAmazon 昨日観た『グレン・ミラー物語』(1954)からこの『エル・シド』までの数年間に、アンソニー・マンはジェームズ・スチュアートとの西部劇やゲイリー・クーパー主演の『西部の人』など、10本の映画を撮っているのだけれども、どの作品も「Amazon Prime Video」で観ることが出来ないので、いきなりこの超大作である。 この『エル・シド』の前、アンソニー・マンはカーク・ダグラスが製作/主演の『スパルタカス』の監督に雇われ、1959年の初めには撮影も開始していたのだが、カーク・ダグラスがアンソニー・マンの「会話より…
秘密指令 The Black Book [DVD]ロバート・カミングスAmazon 1949年に最初に公開されたときのタイトルは「Reign of Terror(恐怖の統治)」だったけれども、すぐに「The Black Book」と変更された。じっさい、わたしが観た映像では冒頭のタイトルは「The Black Book」だったけれども、ラストに出たクレジットは「The End of The Reign of Terror」となっていた。 脚本はまず、ハリウッドで多くの歴史モノを書いたイーニアス・マッケンジーが書いたが、アンソニー・マンと組んだ脚本家のフィリップ・ヨーダンは、イーニアス・マッケン…
はじめに クトゥルフ神話TRPGのサプリメントに、『マレウス・モンストロルム』というデータブックが存在する。この本は古今東西のクトゥルフ神話作品のクリーチャーデータが掲載されたサプリメントで、少々値は張るものの、基本ルールブックの神話生物を使い果たしたキーパー達には御用達の一冊となっている。 クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム (ログインテーブルトークRPGシリーズ) 作者:スコット・アニオロフスキー,ほか KADOKAWA Amazon ラヴクラフトやダーレス、ラムレイなどの有名作家陣はもちろん、日本で邦訳されていない小説からも多数掲載されており、少数ではあるものの、ゲームオリ…
レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「人類SOS!」(1963)です。 第二次世界大戦後のロンドン。世界中に流星雨が降り注ぎ、それは美しい閃光を伴う天体ショーだったので多くの人達が眺め入っていた。翌日、流星雨を鑑賞した人々は視神経をやられ失明してしまった。悪いことに、その昔隕石にへばりついて地球に来たトリフィドという食肉植物が、その流星雨の影響で巨大化して、移動することが出来るようになって人類を襲うようになる。 一等航海士ビル(ハワード・キール)は、目の手術を受けたので流星雨を見ることが出来なく失明は免れた。ラジオを聞くと失明していない人はパリに集ま…
www.twellv.co.jp『ウィンチェスター銃'73』(1950)、『復讐の荒野』(1950)、『グレン・ミラー物語』(1953)などのアンソニー・マン監督による作品。 殺された弟の仇を討つため旅をする男ウィルが、ワイオミング州ララミーからの旅路の最中、牧場主アレックが牛耳る村を訪れたことから戦いへと身を投じていく事になる様が描かれます。 主人公ウィルを演じるのは名優ジェームズ・スチュアート。先に挙げた『ウィンチェスター銃'73』、『グレン・ミラー物語』でもアンソニー・マン監督とタッグを組んでいるだけに、彼の魅力が生かされたキャラクターに仕上がっています。(二人のタッグは8作目となり、今…
www.nhk.or.jp『バターンを奪回せよ』(1945)、『十字砲火』(1947)などのエドワード・ドミトリク監督による西部劇。1949年のジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督作『他人の家』のリメイク作に当たります。 1880年代のアメリカ南西部を舞台に、牧場主マットが精錬所から流れ出た鉱毒により家畜を殺されたことから社会と戦うことになる様子が描かれます。 西部劇で銃撃戦もある作品ですが、社会問題を取り上げた異色さが見どころ。 廃液がもたらした家畜の死をめぐる精錬所との戦いはもちろん、身内との争い、ネイティヴ・アメリカンへの差別など、時代背景を押さえた骨太ストーリーを展開しています。 牧場…
新映画原理主義 第三回「独立愚連隊プロデューサー~キング兄弟」 30年代から50年代にかけては、ハリウッドの全盛期で世界中の映画興行を席捲し、まさに飛ぶ鳥落とす勢いであった。当時のメジャースタジオのビッグ5は、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)、パラマウント、ワーナーブラザーズ(WB)、20世紀フォックス(FOX)、RKOラジオ(RKO)で、その下のリトル3と言われたのがコロンビア、ユニヴァーサル、ユナイテッド・アーテイスツ(UA)である。ビッグ5の条件は、製作・配給・興行(上映)を一貫して行える、いわゆる“垂直統合構造”であることで、リトル3の場合は、そのどれかが欠けている。ビッグ5…