本書の副題に「あるいは制服の研究」とあるように、読書会の冒頭は平田オリザさんの学園劇『転校生』を私が観劇したエピソードからはじまった。 紀伊国屋書店でホールの入り口を探していると、制服を着た女子高生の集団が「上ですよ」と声をかけてくれた。で、「ありがとう! ちなみに、今日は見学?」と、高校演劇ふうの少女たちに声をかけると、視線を外して無言でそそくさと去っていってしまった。 「最近の演劇女子高生はシャイなのかなぁ」(基本、はきはきとした体育会系の子たちが多いと認識)と思いながら、開幕を待つ。 お芝居が始まると、なんと、先ほど歩き回っていた女子高生が舞台に立っているではないか。しかもよく見ると、3…