静寂への侵食 本来、この刻限の主役は、月の光と、音もなく空を断つ白い腹のメンフクロウの翼であるはずだった。しかし、目の前のプラスチックの器から立ち上る、およそ高潔な魂には似つかわしくない湯気の香気が、聖域を容赦なく侵食していく。 黄金の双眸の受難 闇を見通すはずのその瞳が、今、静寂に突如現れた異彩をはなつものものに釘付けにされている。それは、至高の怪異が避けられぬ、人の世の『俗』という名の受難。人の形をしている主にとっては食べなければいけない糧で、フクロウにとってはあまりにもの異形が、ピンと張った水面のようにととのえられた夜の時間を塗り替えていく瞬間であった。 刹那の揺らぎ 羽…