Fury
1945年4月、戦車”フューリー”を駆るウォーダディー(ブラッド・ピット)のチームに、戦闘経験の一切ない新兵ノーマン(ローガン・ラーマン)が配置された。新人のノーマンは、想像をはるかに超えた戦場の凄惨な現実を目の当たりにしていく。やがて行く先々に隠れ潜むドイツ軍の奇襲を切り抜け進軍する”フューリー”の乗員たちは、世界最強の独・ティーガー戦車との死闘、さらには敵の精鋭部隊300人をたった5人で迎え撃つという、絶望的なミッションに身を投じていくのだった……。
(公式サイトより)
第二次世界大戦を舞台にした戦争アクション映画。
*1:Rated R for strong sequences of war violence, some grisly images, and language throughout.
The Fury
超能力者である息子を誘拐された元情報部員は、元同僚が黒幕と知る。超能力を使った工作員を育成しようとする情報局の差し金なのだ。情報部員は息子が幽閉されているらしい研究所に目を付け、そこに通う超能力少女の助けを借りようとするが。
ブライアン・デ・パルマ初の大作は、入り組んだ筋立てのSFスリラーとなった。中盤にあるまるごと1場面をスローモーションで通した美しい脱出場面(ゴダールが「スローモーションの唯一正しい使い方」と評した)など、粘る演出は緊張感もあってさすがだし、冒頭の襲撃&誘拐場面や、超能力場面(出血多量)などの見せ場には事欠かない。その意味では初の娯楽大作雇われ監督としての責務は真っ当していると言えよう。但し登場人物の陰影に乏しく、観客にタイトル通りの激怒を実感させない。こういった点で、低予算だった前作『キャリー』には及ばない出来となっている。
カーク・ダグラスはお歳にも関わらず裸まで見せて大熱演、悪役のジョン・カサヴェテスも憎憎しい。序盤に脇役で出演したダリル・ハンナのデビュー作でもある。