トマ・ピケティの「21世紀の資本」を読む前に、社会党支持者の立場でフランスの現代社会史を捉えた「トマ・ピケティの新・資本論」を読んでおくべきというのがこれまでの私の主張だったが、そのさらに前に読むべき本を挙げるとすれば、本書である。 フランスのアニメに事情を、リアルタイムで視聴していた氏の思いを元に記した一冊だが、そこにあるのは日本のアニメが放送されていたという時系列ではない。 リベラルに基づく政策のもと、反差別と民主主義を進めるために移民を多く受け入れ、パリ郊外に作られたニュータウンで人種混交の生活をすることを推進しておきながら、まさにそのリベラル活動家自身が我が子をその地域の公立中学に入学…