1960年代のジャズの演奏形態のうち、西洋音楽的な制約に従わないルールで演奏されるスタイルのジャズの総称。別名ニューシング。1950年代のウェストコーストで実験的ジャズとして演奏していたものを、オーネット・コールマンが東海岸に紹介することで、一般的な認知を得るにいたったもの。
一言でフリージャズといっても、西洋音楽的な制約に従わない、という点を除けば立脚するルールは個々に異なっており、演奏スタイルは演奏者の数だけ存在するといっても過言ではない。「フリー・インプロヴィゼーション」「フリー・フォーム」もほぼ同義。
敢えて差異を示せば、「フリージャズ」はジャンル色が強く出ている表現。
「フリー・インプロヴィゼーション」は自由な演奏行為そのものを示す表現。
「フリー・フォーム」は自由な演奏形式そのものを示す表現である。
また、この語<フリー>についての(やや時代状況的な)解説を添えるならば、まず最初の意味としては、第2次世界大戦後のアメリカにおけるいわゆるモダン・ジャズ〜モード・ジャズあたりからの、自由であり、しかもそのジャズ革新運動は、他方で、絵画における抽象表現主義運動や、はたまた公民権運動などの社会的に<自由を求める改革運動全般>と、ゆるい連帯感覚を(場合によっては)もったのだった。