今年はフランスの作曲家モーリス・ラヴェル(1875年~1937年)の生誕150年です。数々の代表する作品がありますが、その中から今回は1911年に作曲されたピアノ独奏曲「優雅(高雅)で感傷的なワルツ(円舞曲)」≪仏語:Valses nobles et sentimentales≫をご紹介したいと思います―この日本語訳が「亡き王女のためのパヴァーヌ」と共に心の琴線に触れるタイトルなんですよね。 作品に対してラヴェル自身はシューベルトのワルツをモチーフとしていると述べています。しかし、シューベルトと共通するのは繊細なメロディーくらいでラヴェルの音色と色彩に満ちた独自性があり、ピアニストにとってはレ…