【100話】 夕暮れ時、グラウンドに響く笛の音が、彼の中学野球生活の終わりを告げた。 俺は、その瞬間を迎えるまでレギュラーに選ばれることなく、静かに背番号なしのユニフォームを脱いだ。 「俺なりに頑張った結果なので、悔いはない」 俺は心の中でつぶやいた。 俺は高校に進学したら、県内屈指の強豪校として名高い、志望した高校のラグビー部でプレイすると決めていた。 中学時代、俺の学校にはラグビー部がなく、俺は「スクール☆ウォーズ~泣き虫先生の7年戦争~」のビデオを繰り返し見ては、いつか自分もあのような熱い戦いに身を投じることを夢見ていた。 「スクールウォーズ2」が俺にとって少し残念だったのは、本編ほど自…