2018年発表の本書は、毎日新聞記者で福島第一原発事故のその後を取材し続けている日野行介氏が「21世紀最悪の公共事業」の実態を綴ったもの。福島県を中心に広範囲に放射性物質が散布された事故で、その除染のため2016年度までで2.6兆円とのべ3,000万人の従事者を必要とした。 山林が多い地肌を削り、その汚染土をフレコンバッグに詰め、中間貯蔵施設に置く。いずれ「福島県外での最終処分」をするという約束で・・・。その過程で、さまざまな問題が生じた。 ・取り出し忘れたフレコンバッグの上に新築住戸を建てた人 ・基準値以下に除染すると公約して当選しながら守らなかった市長 ・おざなりの除染作業をし、汚染土を正…