ジョジフ・フレンチ。
イギリスの推理作家クロフツが生み出した探偵。ロンドン警視庁に勤務。
外見は、小柄で青い目の穏やかな紳士。
物事を効率的に進める手腕、決して諦めない不屈の精神、聞き込み時における駆け引きの上手さなど、天才型ではないが、手を抜かない粘り強い捜査で事件を解決する。
シリーズ内で、警部→首席警部→警視→主任警視へと出世。
天才型でなく、ハードボイルド型でなく、人情家肌でもなく、類例のない職人肌のめずらしい探偵。
ANTIDOTE TO VENOM 1938年発表 フレンチ警部18 霜島義明訳 創元推理文庫発行 前作『シグニット号の死』 次作『フレンチ警部と多忙な休暇』 三大倒叙の一つと呼ばれる『クロイドン発12時30分』を生み出して以降、クロフツの倒叙に対する興味はしばらく色褪せなかったようで、その後も数作の倒叙作品を発表しているが、本作もそのひとつ。 主人公ジョージ・サリッジは動物園の園長を務めている。仕事には誇りを持ち、同僚からの信頼も厚い彼にもただ一つ不満があった。しかしそんなある日、ジョージはナンシーという女性と運命的な出会いを果たす。そして、これがジョージの破滅の始まりだった。 倒叙によくあ…