1.パリに生まれた一人の青年 1819年9月18日、フランスのパリで誕生したジャン・ベルナール・レオン・フーコー。当初、彼の人生の方向性は科学ではなく医学に向けられていました。幼いころから手先が器用で観察力も鋭かった彼は、医者になることを夢見てパリ大学の医学部に進学します。しかし、臨床実習の際に血を見て気を失ってしまうほど血に弱かったことから、医者の道を断念せざるを得ませんでした。 医学を諦めた後、フーコーが次に強く惹かれたのは「光」と「物理学」の世界でした。独学で研究を始め、光学機器の改良や顕微鏡実験に没頭する日々を送りました。この転身こそが、後に科学史に大きな足跡を残すきっかけとなったので…