文学座『オセロー』サイト:オセロー|文学座 400年も上演されてきたシェイクスピア劇で、今までとは異なる何か、オリジナルな新しい演出を今さら打ち出すなど至難の業である。例えば今回の、死んだはずのデズデモーナやエミリアが起き上がって登場人物を見守る演出は、すでに1830年代に『オセロー』のパロディ劇で行われているという具合に(注1)。しかし、今回の鵜山演出の文学座『オセロー』は、新機軸を見たいという私の長年の望みを叶えてくれた。四半世紀前になるが、イギリス留学時代に、Peter Holland先生のチュートリアルで初めて「『オセロー』は喜劇的な構造を持っている(そもそもシェイクスピア悲劇は必ず喜…