「銀河鉄道の夜」は、宮沢賢治が『春と修羅』や『注文の多い料理店』を出版した1924(大正13)年から、37歳で亡くなる1933(昭和8)年までの約十年の間、4次にわたり改稿しながら未完成に終わった作品です。そのため4種類の原稿が残されており、その跡をたどることは賢治の思想を理解するためにとても重要です。そこで、4つの作品をエクセルで並べて比較対照してみようと思ったのですが、これがなかなか大変で進みませんでした。ところが、ありがたいことに『宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を読む』(西田良子編著、創元社)という本が図書館で見つかりました。本の見開きの上下に第1次稿から第4次稿の照応する個所を配し、参考資料…