「オールウェイズ・カミングホーム」は、2万年後の地球を舞台に、ケシュ族という人類の末裔の営みを描いている。ケシュ族のありようは、北米先住民族の文化に似ているようであり、ル=グインの父親が北米先住民族の研究者であったことを想いおこさせる。 興味深いのは、ケシュ族が、地球外までひろがるAIネットワークである「心の市」(City of Mind)にアクセスしているところだ。この設定こそ作品を、北米先住民族のありようから着想した寓話ではなく、人類の未来を想像させるSFたらしめている重要な点だと思う。 ケシュ族はこうした高度技術にあまり頼らない抑制的な生活様式を維持しており、社会構造も階層的・抑圧的でな…