英国在住のライター、翻訳者、ブロガー。(本人の弁によれば「言語のいたこ」*1) 映画情報サイトMovieWalkerに寄稿記事が掲載されている。(MovieWalker"ブレイディみかこ"記事一覧) 英国での生活を綴ったブログ「THE BRADY BLOG」が、碧天舎から「花の命はノー・フューチャー」として出版される。(ただしその後碧天舎の倒産により絶版)
花の命はノー・フューチャー
1996年より英国在住。現在はBRIGHTON, EAST SUSSEXの「丘の上」で生活しているとのこと。
*1:出典:http://www.geocities.jp/mikako0607jp/6th.html
その国を知るには、そこに行って自分の目で見ることがいちばんだ。 できれば、しばらくその国に住んでみることだ。 転がる珠玉のように を読みました。 著者は、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)』の ブレイディみかこさんです。 長年イギリスに住んでいるから、現地のことがリアルに伝わってきておもしろいです。 特に「巻き込まれるスキル」はおもしろかった。 シャイを自称する著者が次々にコミュニケーションの輪に巻き込まれていく様がおもしろい。 「・・・と、ここで会話が終わってもいいところだ。が、」 で、次の展開がはじまってしまう。 これが何回も続くのだから、「英国の人はめっちゃしゃべる…
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ 新潮文庫 『他者の靴を履く』を読んでみて、「この人の書く文章は地べたにちゃんと立って自分の頭で考えられているな。信用できる」と感じた私は、その本を書くきっかけとなった"種本"の本書『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を手に取ってみたのでした。 mori-jun.net ジャンル的にはノンフィクションになるのでしょうが、アイルランド人の配偶者と日本人の著者との間に生まれた英国籍の(イギリス・ブライトン在住)息子が中学に上がり、ジェンダー、人種差別、貧富の差による格差、等の問題に出会い、親子間で会話し、行動する中で、息子が…
不定期読書感想文です。 以前 読書日記 2024年3月20-26日 で書いていたように、 ・シャイデル・ウォルター(鬼澤忍、塩原通緒訳)『暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病』 ・マイケル・サンデル(鬼澤忍訳)『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 ・カール・ローズ(庭田よう子、中野剛志訳)『WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』 ・広瀬隆『日本近現代史入門 黒い人脈と金脈』 ・ブレイディみかこ『僕はイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー2』 など読んで考えたことをつらつら書く。 ただの感想文で、特に結論とかはありません。
『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』を読みました。 私労働小説なんて、訳がわかんないですよね。 著者がブレイディみかこさんだから手に取ってみました。 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の作者ですから。 それに、ラジオなどでもお話をよく聴いていて、 イギリスでどんな生活をしているのかな?って、 前々から興味があったのでおもしろく読めました。 この本は「ノンフィクションではないし、自伝でもない」と、 みかこさん自身が「あとがき」でことわりを入れています。 でもね、ご自身の体験がベースにあるのは確かでしょう。 イギリスでこういう体験をして生きてきたんですね。 階級がある社会っていうのがどう…
このブログ、最近書評が多いな、と思っている読者もいると思う。まさにその通りで、理由は、建玉が膠着しており、動きがとりにくい。それに、GWの後半からずっと仕事で、今月に入って休んだのは1日と6日だけ。深夜に帰宅した後にチャート画面を開いても、派手に動く時間は過ぎており、チャンスはほぼない。結局、本を読むくらいしかやることは無くなってしまうのだ。 本作の著者ブレイディみかこは、名前は聞いたことがある、くらいで著作を読むのはこれが初めて。小説、という形態をとっているが、著者の経験が結構投影されているように感じる。「ノンフィクションではないし、自伝でもない」と書いてはいる(P252)が、いたる所に著者…
どこの本屋さんにも置いてあるであろう、超ベストセラー。 いつかいつかと思いつつ、読めていませんでした。 ポッドキャスト番組「独立後のリアル」の相方がおすすめしていたのをきっかけに、今更ながらに読みました。 読んでよかった。 感じることも多く、正直、読書録に何をどう残しておけば良いかまとまらないでいます。 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディみかこ 著、2021年7月初版、新潮文庫、単行本は2019年6月刊行) 内容は、副題の「The Real British Secondary School Days」が表しているとおり。 著者みかこさんの息子さんが通う"元底辺中学校”の…
他人の靴を履く タイトル聞いただけで、お尻がムズムズして、居心地の悪さを感じるよね。 一言で中身が、想像できるけど、 その具体的な中身って、目から鱗のみかこさんの本 面白いよね。 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー から、コラムなどいつも表現力にため息する 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ 作者:ブレイディ みかこ 文藝春秋 Amazon 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち (幻冬舎新書) 作者:ブレイディ みかこ 幻冬舎 Amazon ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫) 作者:ブレイディみかこ 新潮社 Amazon ぼくはイエローで…
『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』 ブレイディみかこ 文藝春秋 シンパシーとエンパシー みなさんは「共感」という日本語、どのように使われますか。 「今の日本の政治家の話し方にはまったく共感できない」 「この監督の一つ前の作品には共感できなかったけど、今回のには共感できた」 「この投稿に共感していいねボタンを押してしまった」 とりあえず3つ、私なりに適当に「共感」を用いて文章を作ってみましたが、これらの「共感」は英訳すると、おそらく"sympathy"になります。ところが他方、英語ではもう一つ「共感」と訳される単語があります。"empathy"です。 英語圏でもこの"empat…
谷川俊太郎とブレイディみかこの1年半に渡る往復書簡。 『図書』連載「言葉のほとり」(2022年3月~2023年8月号)に、奥村門土(モンドくん)の挿画を加えて、昨年11月に書籍化されたもの。 字も大きく150ページほどであり、内容的にもとても引き込まれたので一気に読了。 気軽に読めるわりに内容は深く、心に響く言葉や共感出来る事がら多々だった。 社会的なことや、老いや介護などの身近な問題にも触れていて。 年齢も、育った環境も全く違う二人。ブレイディさんの散文に対して、谷川さんは詩を中心に返信。谷川さんの味わい深い詩の世界も十分堪能できた。 イギリスに住んでもう四半世紀になるという、ブレイディみか…
続きです。 ◯エンパシーとシンパシー# この小説のなかで、『東京同情塔』である刑務所は、シンパシータワー、 ですから、犯罪者は、同情すべき人々ということです。 寛容な社会の行き着くところです。 そのネーミングから、高輪ゲートウェイ駅、 内容では、上野千鶴子さんの東大での新入生歓迎の辞など、 巷の出来事が、いくつもクロスオーバーしました。 同じ時代、同じところで、ほぼ同じ目線で生きている、作者への、エンパシーです。 エンパシーは、共感で、同情しないけれども、理解はできるという態度です。 ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」です。 シンパシーとは、かわいそうな人に、…
やっほー。ご無沙汰日記。そして衝撃、9月終わるってよ。この頃のことをダイジェストで振り返ると、相変わらず酒飲んだりもう酒はやめると言ってみたり、体重が減らなかったり、体調が悪かったりした。去年と違う点を振り返り、酒飲まないのはもちろんのこと、睡眠不足もただそう、22時30分までには布団に入ろうみたいなことを考えて生きていた。気まぐれにメンタリストの方のDaiGoが勧めてたサプリメント(メラトニンの徐放錠)を飲み始めてみたりしていた。普通に良さそう。違いを感じます。それから一生腸内細菌が死滅しているのでこれもDaiGoが勧めてた新ビオフェルミンSプラス錠課金を始めてこれも結構いい成績を残している…
ご無沙汰しております。「神作家・紫式部のありえない日々」無事に第5巻が発売されました!連載続けられているのも購入してくださる読者さんのお陰です!ありがとうございます〜!! 神作家・紫式部のありえない日々 5巻 (ZERO-SUMコミックス) 作者:D・キッサン 一迅社 Amazon 今巻は特に目立った人物がいなかったので、表紙誰にするか悩んだんですが、まあそこそこ出番もあったし大河もやってるしと…いうことで道長にしました。内容的には俊賢にスポットを当てられたのが個人的によかったかな、と。最初はあまり俊賢の資料がなくて手探りで描いていた(行成と仲がいいくらいしか知らなかった)のですが、源氏である…
五時四十分起床。雨。うわー、今日は東京ステーションギャラリーのフォロン展に行こうと思っていたのに。雨足が強かったら考えちゃうな、などと思いっていたが幸い午前中で雨は上がったので、予定通り妻と出かけることにした。 十四時前に東京ステーションギャラリー着。「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」を観る。日本で言うとたむらしげるみたいな人なのかな、と思っていたのだが、作品の大半に社会的な、あるいは哲学的なメッセージ込められていて、そのシンプルでポップ、そして親しみやすいタッチとは裏腹に、考えさせられる要素が非常に多い。展覧会のタイトルに「空想旅行案内人」という言葉を使ったのは、空想的な世界観…
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫) 作者:ブレイディみかこ 新潮社 Amazon 子供よりむしろ大人が読むべき名著 率直な感想を言えば、これが課題図書でいいの?ってことでした。いや、ディスってないですよ?むしろこれ、ものすごい名著だと思います。でも、課題図書ってことは子供が読むことを勧めるんですよね?そういう意味だと、ちょっと、どうなんだろうっていう。別に、残虐なこととか、過度にセクシーなこととか書いてあるわけじゃないんですが、正直言えば、小中学生がこれを読んで、どれくらい理解できるだろう、っていう疑問はあります。(同じ意味で、「君たちはどう生きるか」も。正直、あれも小学生…
今週のお題は「好きな小説」ということで、最近読んでおもしろかった本を挙げていこうと思います。(順不同・敬称略) 『女の国会』新川帆立 女の国会 (幻冬舎単行本) 作者:新川帆立 幻冬舎 Amazon 国会議員や地方議会の議員、議員の秘書や政治部の記者が、普段どんなことをしているのか垣間見ることができておもしろい。 ミステリーとしても、まさかまさかの結末で、ページをめくる手がとまらなかった。 『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』ブレイディみかこ 私労働小説 ザ・シット・ジョブ (角川書店単行本) 作者:ブレイディ みかこ KADOKAWA Amazon ベビーシッター、クリーニング工場の夜間作業員…
米国大統領選挙は、極右的発言のトランプ前大統領が、民主党ハリス副大統領と副大統領候補ウォルズ知事に「共産党」とレッテルを貼って、極右・極左対決のような雰囲気づくりをしているようだ。中道無党派層をどちらが獲るのか、せめぎ合いがあるはずだと思う。今年の欧州議会選挙でも、先日のフランス総選挙でも、極右が台頭し極左も健闘している。ではその間に薄く広く存在するはずの中道はどうかというと、影が薄いだけでなく先鋭化しているとの記事があった。 「英労働党の極端な権威主義 欧州で進む政治の三極化の一因に」ブレイディみかこ(AERA dot.) - Yahoo!ニュース 英国の新労働党政権が権威主義的で排他的にな…
2024年9月8日(日) 久しぶりにアラームをつけずに寝坊。昨夜リフレッシュしたためか、よく眠れた。午前中は洗濯。昼食を食べがてら、買い物。普段行く大規模スーパーだと買いすぎてしまうので、今日は駅前で必要最低限の買い物に留める。帰宅後、暑くてぐったりしてしたら、そのままうたた寝してしまった。 夕方にクリーニング屋に長男の冬の制服を受け取りに行き、図書館へ。図書カードの有効期限(5年間)が切れてしまい、コロナ禍もあり足が遠のいていたことを思い出す。久しぶりにあまり広くない図書館をうろうろして、長女に紙芝居を読んだことや長男が低学年の頃に毎週のようにきて図鑑や学研のひみつシリーズなどを借りていたこ…
人口減少社会の未来学 作者:池田 清彦,井上 智洋,内田 樹,小田嶋 隆,姜 尚中,隈 研吾,高橋 博之,平川 克美,平田 オリザ,ブレイディ みかこ,藻谷 浩介 文藝春秋 Amazon ワタシが小学生のころの社会の教科書には、世界の人口が36億人と書いてあったことを覚えている。今は、80億だよね。ひえ〜〜!!!!(・。・) 「21世紀末、日本の人口は約半数に――。人口減少社会の「不都合な真実」をえぐり出し、文明史的スケールの問題に挑む〝生き残るため〟の論考集。各ジャンルを代表する第一級の知性が贈る、新しい処方箋がここに」なかでも、建築家の隈研吾さんのメッセージがオモシロカッた。そのエッセンス…
読了 2024年1月に読んだ本は15冊でした。 (もはやレビュー書く余裕がないので、まとめだけ上げます!) 2024年1月に読んだ本 001 ガラム・マサラ! [ ラーフル・ライナ ] →2024.01.07「001.ガラム・マサラ! [ ラーフル・ライナ ]」 002 子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫) [ ドロシー・ロー・ノルト ] →2024.01.25「002.子どもが育つ魔法の言葉 [ ドロシー・ロー・ノルト ]」 003 リスペクト R・E・S・P・E・C・T (単行本) [ ブレイディみかこ ] →2024.01.28「003.リスペクト [ ブレイディみかこ …
「低所得者から徴収する消費税 憲法の生存権の保障に抵触するのでは?」ブレイディみかこ
以前より私のような人間に対してはネトウヨとか冷笑主義者といったレッテルが貼られていたが、貼る側も貼られる側も今ひとつ芯を食ってない感が拭えなかったのだが、ここ最近新しいレッテルが発明された。「極中道(エキストリーム・センター)」である。もちろん悪口としてのレッテル貼りなので定義はガバガバなんだけれども、この用語については以前から興味があり、なんなら自称しようかと思って情報を集めていたので、それなりに整理整頓して共有したいと思う。敬称略で。 最初に極中道をみたのは、後述する『歴史評論』2017年10月号所収の論文、山崎耕一「〈歴史の眼〉フランス革命史の現在」である。当時これを読んで面白い概念だと…
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 (8/12~8/18 全39冊) *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示) ◆週刊東洋経済「話題の本」: 8/10・8/17 号 7 冊赤と青のガウン オックスフォード留学記 彬子女王 PHP文庫 1,320 ②「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋 フリーランスが訳し、働き、食うための実務的アイデア 井口 耕二 講談社 1,980中国はいかにして経済を兵器化し…
教養としてのパンク・ロック 川﨑大助 | 光文社新書 | 光文社 FROM 子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から ブレイディみかこ みすず書房 2017年4月17日 - いもづる読書日記 ザ・レインコーツ──普通の女たちの静かなポスト・パンク革命 ジェン・ペリー著 2021/11/26 Pヴァイン - いもづる読書日記 TO 女パンクの逆襲──フェミニスト音楽史 | ele-king 私はパンク世代なので、パンク・ロックの重要性は認めるところだが、「教養」というのはどうかな?パンクの話となるとどうしてもバンド名が群雄割拠してしまうわけで、本書も「細かすぎる解説」として私は…
もりあがれ!タイダーン ヨシタケシンスケ対談集 (MOE BOOKS) 作者:ヨシタケシンスケ 白泉社 Amazon ワタシの大好きな天才絵本作家、ヨシタケシンスケさん。大好きだなー!!!この発想力、表現力、展開力、もお、笑って、笑って、笑っちゃうっ!!! 対談集があるとは知らなかった!!!「ヨシタケシンスケが会いたかった人気作家11名と対談した著者初の対談集。芸術書のコレクションを披露しあったり、リスペクトする絵本作家のアトリエを訪ねたり。対談後の感想「お話しして思ったこと」などユニークなイラストも数多く収録した豪華な内容。登場作家/糸井重里、かこさとし、岸本佐知子、クリハラタカシ、坂崎千春…