英国在住のライター、翻訳者、ブロガー。(本人の弁によれば「言語のいたこ」*1) 映画情報サイトMovieWalkerに寄稿記事が掲載されている。(MovieWalker"ブレイディみかこ"記事一覧) 英国での生活を綴ったブログ「THE BRADY BLOG」が、碧天舎から「花の命はノー・フューチャー」として出版される。(ただしその後碧天舎の倒産により絶版)
花の命はノー・フューチャー
1996年より英国在住。現在はBRIGHTON, EAST SUSSEXの「丘の上」で生活しているとのこと。
*1:出典:http://www.geocities.jp/mikako0607jp/6th.html
他人の靴を履く タイトル聞いただけで、お尻がムズムズして、居心地の悪さを感じるよね。 一言で中身が、想像できるけど、 その具体的な中身って、目から鱗のみかこさんの本 面白いよね。 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー から、コラムなどいつも表現力にため息する 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ 作者:ブレイディ みかこ 文藝春秋 Amazon 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち (幻冬舎新書) 作者:ブレイディ みかこ 幻冬舎 Amazon ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫) 作者:ブレイディみかこ 新潮社 Amazon ぼくはイエローで…
『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』 ブレイディみかこ 文藝春秋 シンパシーとエンパシー みなさんは「共感」という日本語、どのように使われますか。 「今の日本の政治家の話し方にはまったく共感できない」 「この監督の一つ前の作品には共感できなかったけど、今回のには共感できた」 「この投稿に共感していいねボタンを押してしまった」 とりあえず3つ、私なりに適当に「共感」を用いて文章を作ってみましたが、これらの「共感」は英訳すると、おそらく"sympathy"になります。ところが他方、英語ではもう一つ「共感」と訳される単語があります。"empathy"です。 英語圏でもこの"empat…
谷川俊太郎とブレイディみかこの1年半に渡る往復書簡。 『図書』連載「言葉のほとり」(2022年3月~2023年8月号)に、奥村門土(モンドくん)の挿画を加えて、昨年11月に書籍化されたもの。 字も大きく150ページほどであり、内容的にもとても引き込まれたので一気に読了。 気軽に読めるわりに内容は深く、心に響く言葉や共感出来る事がら多々だった。 社会的なことや、老いや介護などの身近な問題にも触れていて。 年齢も、育った環境も全く違う二人。ブレイディさんの散文に対して、谷川さんは詩を中心に返信。谷川さんの味わい深い詩の世界も十分堪能できた。 イギリスに住んでもう四半世紀になるという、ブレイディみか…
続きです。 ◯エンパシーとシンパシー# この小説のなかで、『東京同情塔』である刑務所は、シンパシータワー、 ですから、犯罪者は、同情すべき人々ということです。 寛容な社会の行き着くところです。 そのネーミングから、高輪ゲートウェイ駅、 内容では、上野千鶴子さんの東大での新入生歓迎の辞など、 巷の出来事が、いくつもクロスオーバーしました。 同じ時代、同じところで、ほぼ同じ目線で生きている、作者への、エンパシーです。 エンパシーは、共感で、同情しないけれども、理解はできるという態度です。 ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」です。 シンパシーとは、かわいそうな人に、…
詩人とライターの往復書簡を読みました。 詩人とは言わずと知れた詩の大家・谷川俊太郎さんで、 ライターとは「地べたのライター」と自ら名乗るブレイディみかこさんです。 『その世とこの世』というタイトルの本です。 ワタシにとってはお2人とも興味関心を引かれる方ですので、 どんな化学反応が楽しめるのかと、ワクワク気分でページをめくりました。 面識のないお2人の手紙のやりとりですが、 これは、『図書』編集部の発案だとか。 このお2人を結びつけるとは、かなりの策士ですな。 そして、見え隠れするのが、作家の高橋源一郎さんの存在です。 NHKラジオの番組『飛ぶ教室』のパーソナリティですが、 いきなり、この番組…
白内障の手術をした。数日休んで学校へ行くと廊下の掲示板が変わっていたので驚いた。それは1年生から6年生までの行事の様子を並べた写真。「きれいな写真だなあ! よく撮れているじゃないか…」もう一度よく見ると、前と同じ写真だ…。 映画「パーフェクトデイズ」に関する話題がラジオから聞こえてきた。「あの写真現像屋の店主は柴田元幸さんです」えー!知らなかった! 聞いていたらもっと気を付けて見たのに。もう一度観に行こうと思っていたのでこれで決心がついた。 翻訳家の柴田元幸さんの編集による雑誌「MONKEY」第32号が発売された。伊藤比呂美、ジョン・アーヴィング、フィリップ・K・ディック、坂口恭平、古川日出男…
【ボランティアの本質 意義】。少し長いですが転記させて頂きます。 週末にHIVの病院でボランティアしている企業の弁護士。「ボランティアは ダイレクトに誰かの役に立てる。 企業の弁護士は、企業の役に立つけど 人の役に立つとは限らない。 書類やコンピューターを相手にして仕事をしていると人間を相手にした仕事がしたくなるんだ。 人間の仕事というか 人間にしかできない仕事がね。 人間をケアする行為は、人間でない者には ロボットには できないんだ。 ケアというのは ケアする方とされる方、双方の人間がいてポジティブな精神的電波が生まれる。病院室を回るとき 僕たちはそこにいる人々に声をかけるよね。 相手から答…
東京に暮らす詩人の谷川俊太郎さんと ブライトン在住のライターのブレイディみかこさん日々の出来事や少し引っ掛かった想いを文通した往復書簡集。 対談と言うカタチではなく、手紙のやり取りは 考えたことを文字にする工程を経て伝えられる 手紙には経た時間によって洗練されたエッセンスが抽出され濃いその人らしさが綴られるって気がします 谷川さんの詩の広がりとリアルなブレイディさんの想いの重なり まさにそれは「その世」と「この世」のような言葉この想いは「あの世」ではどこに行くのだろうか 世は繋がり過去から未来へ部屋から世界を超えて想像が広がる。
母を亡くしたブレイディさんは旅に出た。 目的地はウイーン。 ヨーロッパの古都でエゴン・シーレを観る。 そこで、見知らぬ老人からヒットラーをめぐるウオーキングツアーを勧められる。 この有名な独裁者はウイーンの美術学校の入学試験に失敗した。 同時期にその美術学校に入学したのがシーレ。 ヒットラーが合格していれば、あの20世紀最大の悲劇は起こらなかったのか。 運命や歴史について考えてしまうエピソード。 デビットボウイはシーレと三島由紀夫について語っていた。 危うさとはかなさが人を引きつけることをボウイは自らの表現に昇華させようと試みた。 谷川俊太郎さんとブレイディみかこさんの往復書簡は言葉と表現をめ…
コロナが始まってから海外旅行しながら年末年始を過ごしのではなく実家に行かざるを得ない状況になったのを機に実家で1週間ほど滞在し、両親とゆっくり日常を過ごすようにしています。 せっかくなので同じ空間で過ごす時間を増やそうと思いリビングで本を読みながら適当な会話やテレビをチラチラ見てたのですが、自分が持ち込んだ本を両親が読み始めて置いて来ることになった。 両親が比較的長くて読むのに時間がかかるタイプの本を読む人たちだとは思っていなかったので少し驚きながらも、一緒の空間に誰か居ながら本を読むのも幸せなものだなと思う時間でした。 旅行や日常を送る中で感じる事や発見があっても数ヶ月したら忘れてしまうので…
『この国のかたちを見つめ直す/加藤陽子』『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディみかこ』『招かれざる客/笹川左保』『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし/加藤圭木ゼミナール』『日本と韓国・朝鮮の歴史/中塚明』『落語と川柳/長井好弘』6冊でした。『世界7月号』『前衛7月号』も読んでいます。 園田学園の図書館も使えるので、神戸の図書館では順番待ちとなる本も借りられました。近松研究所の図書館は、伝統芸能の系の本はとても充実しています。 ちょっと長くなるので2回に分けて書きます。それでも長いです。 『この国のかたちを見つめ直す/加藤陽子』 加藤さんが毎日新聞で書かいたコラム、2010年か…
エッセイは、筆者の個人的な経験や考えを自由な形式で綴った文章作品です。日記と異なり、人に読んでもらうことを意識して書き、読み手の心に響く物語を紡ぎます。 1. テーマを見つける 自分のしたい研究の見つけ方 どのようにテーマを決めるのか?20分で読めるシリーズ 作者:Bowing Man,MBビジネス研究班 まんがびと Amazon エッセイの出発点は、テーマ探しです。自身の経験、関心事、社会問題など、心を動かされるものを題材にしましょう。 具体的な質問を考える 何について書きたいのか、具体的な質問を投げかけてみてください。例: 「最近、自分が変わったと思う瞬間はいつだったか?」「私が大切にして…
最近読み終えた本。■『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』(ブレイディみかこ、角川書店、2023年)著者のこれまで働いてきた経験をもとにした「労働小説」らしい。ノンフィクションではない、とのこと(あとがき)。シット・ジョブとは、「クソみたいに報われない仕事」のこと。薔薇ではなく、パンをよこせ。ブレイディみかこさんは、言葉がロックだねえ。 ■『スピノザの診察室』(夏川草介、水鈴社、2023年)夏川医療小説ではめずらしく京都が舞台。相変わらず、登場人物それぞれの個性が小気味よい。主人公は内視鏡手術のスーパードクターなんだけど、大学病院から地域密着の中病院に移って患者の生活と死に寄り添う。夏川世界観は健…
◆ビジネス・自己啓発 安宅和人 (2010)『イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」 』英治出版。 アバタロー(2021)『自己肯定感を上げる OUTPUT読書術』クロスメディア・パブリッシング。 上田正仁(2013)『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』ブックマン社 。 草薙龍瞬(2015)『反応しない練習』KADOKAWA。 グレッグ・マキューン(2021)『エフォートレス思考』かんき出版。 ロバート・B・チャルディーニ(2006)『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』SB Creative。 渋沢栄一(1916)『論語と算盤』ちくま新書。 石井遼介(2020)…
ブロークン・ブリテンに聞け 社会・政治時評クロニクル2018-2023 (講談社文庫)作者:ブレイディみかこ講談社Amazon今朝。ブレイディみかこ『ブロークン・ブリテンに聞け』を読み始める。彼女の仕事は(文字通り、あらゆる彼女の書き物は)ぼくに政治についてのさまざまな真実、そして生きる上でのさまざまな指針を教えてくれる。今回、ぼくは彼女の懸命な、「鋭利な」意見に唸らされた。左派の人々がこの世界を実にせまくるしい、独善的な視線で眺めているという観点だ。本書をていねいに読み、そしてどこが自分の意見と食い違いうるか学んでいかないといけないだろうと思った。ぼくの意見や印象を言えば、彼女は現在の世界の…
3月29日(金)19:00~20:30 片岡大右 ブレイディみかこ『批評と生きること』(晶文社)刊行記念 片岡大右×ブレイディみかこ対談 「批評と生きること、そしてアナーキー」代官山 蔦屋書店 https://eventmanager-plus.jp/get/28bb79e7bbeb240ad80f685c3056e0d89148eda1d89990ef969dcd9c832b24a3 批評と生きること 作者:片岡大右 晶文社 Amazon 私労働小説 ザ・シット・ジョブ (角川書店単行本) 作者:ブレイディ みかこ KADOKAWA Amazon
ブロークン・ブリテンに聞け 社会・政治時評クロニクル2018-2023 (講談社文庫)作者:ブレイディみかこ講談社Amazon今日は早番だった。今朝、Zoomを使った英語関係のミーティングにいつものように参加する。そこである参加者の方が打ち明けて下さった。その方のパソコンがウィルスに感染してしまったということだった。ぼくを含めた他のメンバーたちがアドバイスを提案して何とか窮状を解決しようとした。彼女の状況がよくなればいいのだけれど……そして、ぼくはこれがコネクション(つながり)の力だとあらためて思った。仕事中、ぼくは書きつけている小説のことを考えた。書きながら思ったのは、ぼくはこのことを常に自…
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)作者:ブレイディみかこ新潮社Amazon今日は休日だった。朝、総合病院に行きそこでドクターとお会いする。ぼくの精神的な、そして肉体的な状態について確かめる。その後、イオンに行ったのだけどたいして何もできなかった。イオンの未来屋書店で、ぼくが常々畏敬の念を以て追いかけているブレイディみかこの文庫の新刊を探したのだけれどなかった。だから諦めざるをえなかった。午後になり午睡を貪ったあと、実際に手を動かして前から書いてきたぼく自身の小説の最初の断片的な出だしを書き始めた。最初はタイトルについて「ワードサラダ」がいいかなと思っていた。でも、少し考えて…
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愛と希望の街 渡辺文雄 Amazon ★★★★ 少年・正夫(藤川弘志)が靴磨きの女たちに混ざって鳩を売っている。それを会社重役の娘・京子(冨永ユキ)が買い取る。ところが、それは鳩の帰巣本能を利用した詐欺だった。正夫には病気の母(望月優子)と自閉症の妹(伊藤道子)がおり、一家は生活保護で暮らしている。一方、京子には兄・勇次(渡辺文雄)がいて……。 貧富の差を題材にしたネオレアリズモっぽい内容だった。わりとまっとうな劇映画で驚いたが、そもそもヌーヴェルヴァーグはネオレアリズモから影響を受けているので、キャリアの初期にこういう映画を撮るのも必然なのだろう。方や高度経済成長から取り残された貧困層。方や…
「私労働小説 ザ・シット・ジョブ」ブレイディみかこ [文芸書] - KADOKAWA FROM リスペクト ブレイディみかこ著 筑摩書房 2023/08 - いもづる読書日記 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 小熊英二 講談社現代新書 2019年07月17日 - いもづる読書日記 読後感は珍しく苦い。「自伝ではない」そうだが、著者の直接的な感覚があまり調理されずに提出されているようだ。人種差別、階級差別、搾取といったワードが並ぶ。だが、労働者階級がシットジョブの担い手だという単純な話に帰結したいわけではないようだ。「『あなたのお母さんは、天使のような人だ。』病院での母の働きぶりは…
日本では読み聞かせというと、おおよそ未就学児向けに行われることが多いですが、我が家では小学校に入っても読み聞かせは続けていました。 読み聞かせで読んだ本は、ハリー・ポッターシリーズが私が不愉快だったということでよく覚えていますが(主人公のために事件が起こる展開が苦痛)、それ以外に印象的だったのは、イギリス在住の作家ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』があります。何が印象的かというと、子どもから質問攻めされたからです。 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 無料お試し版 作者:ブレイディみかこ 新潮社 Amazon ※無料お試し版が太っ腹で、1/3まで読めま…
デザイン スタジオ・ギブ 月刊育児雑誌「プチタンファン」1994年11月号から1995年11月号までの連載をまとめ、プロローグとエピローグ、「はみだし育児日記」「ジャック(飼い猫)のひとりごと」など描き下ろし多数。さらに1991年1月号に載った「ママぽよ」第一作・結婚編『そして私は人妻になった』をおまけまんがとして掲載。 部分。私はこの漫画家さんを読んでませんでしたので、本書の画風と『ペルシャが好きっ』の画風の落差をどう理解したものか迷い迷っており、ここで作者の変遷にロンドン・パンクス(ハシカのように皆感染した)があって、やっぱそうかと思いました。これを極めるとブレイディみかこ。 本書で気にな…