前回前々回に続いて、映画『ブレードランナー』のことを書きます。(ここではファイナル・カットを対象とします)今回はストーリーのことを書くので、まだ観ていない方はご注意を。完全にネタバレです。 近未来の地球は環境破壊が進み、人類の多くは宇宙の植民地へ移住していた。そこでの危険な労働は、タイレル社が製造した人造人間(機械的なロボットではなく遺伝子工学によるもの)のレプリカントが従事していた。レプリカントは肉体も知能も優秀であり、中には自分達の境遇を嫌がり逃走する者もあった。地球へと戻ってきたレプリカントを解任(廃棄処分)するのは、ブレードランナーと呼ばれる警察官だ。 この映画で描かれる世界は、それま…