価値観、常識は生きていく中で構築され続けるものである、と私は考える。日常における身の回りのひとつひとつが自らの"あたりまえ"を作り続け、たまに壊され、そしてまた作られる。自身のそれが壊された瞬間を、私はカナダとアメリカで目の当たりにした。 2019年の夏、修士1年生の私はカナダのプリンス・エドワード島(以下、PEI)にいた。当時、英語がはちゃめちゃに出来ず、学業に支障をきたしていた状況をどうしても変えたいと決意し、藁にもすがる思いで2週間の研修に参加していた。 トロント経由でPEIに到着し、爆睡をこきつつも好奇心旺盛な私はホームステイ先のお家の周辺を歩き回った。本屋さんやタイ料理店、ドラッグが…