プロトタイプ理論

芝垣亮介・奥田太郎編『失われたドーナツの穴を求めて』（５） 今回も、第7穴 私たちは何を「ドーナツの穴」と呼ぶのか の続き（p172~）である。 プロトタイプ理論 芝垣は、ここで、「典型性にまつわる理論（Prototype Theory）」を使って、「穴っぽさ」について述べている。 「典型性にまつわる理論」と言うよりは、「プロトタイプ異論（Prototype Theory）」と言うほうが、通りが良いかもしれない。但し、内容の理解に関しては、「典型性にまつわる理論」と訳したほうが適切なようだ。（以下では、プロトタイプ理論と呼ぶ）。 芝垣は、プロトタイプ理論を「家具」を例に説明しているが、引用は省…

プロトタイプ理論は、認知心理学および認知言語学の分野で提案された概念です。この理論によれば、人々は物事や概念を理解する際に、それらの典型的な代表例である「プロトタイプ」を基準として判断や分類を行う傾向があるとされています。 プロトタイプは、あるカテゴリーや概念の最も典型的で一般的な例を指します。例えば、「果物」というカテゴリーにおいては、りんごやオレンジが一般的なプロトタイプとされます。このプロトタイプは、他の果物を理解するための基準や比較対象として機能します。 プロトタイプ理論は、以下の特徴を持っています： 1. プロトタイプは典型的な特徴を持ち、他の事例はそれに近いかどうかで評価されます。…