プロボノとは、社会人が自らの専門知識や技能を生かして参加する社会貢献活動のこと。
語源はPro Bono Publico(公共善のために)というラテン語より。
社会人が会社に所属しながら、自分の時間の一部を効率的に活用して社会貢献に役立てることが多い。
プロボノ活動の発祥地は米国である。合衆国憲法は国民全員に裁判を受ける権利を保障しているが、高額な裁判費用のために、その権利を十分に行使できない者も多い。
1908年、こうした社会的弱者を救済するため、全米法曹協会(ABA)は弁護士の倫理規範を採択し、低所得者への無償の法的サービスを始めたのが、プロボノの原点とされている。
1993年、 ABAは弁護士に年間50時間以上のプロボノ活動を行うことを推奨し、やがて税理士、会計士、経営コンサルタントといったフリーランスの「士業」から、一般企業に勤める営業職・事務職のホワイトカラーに拡大していった。
プロボノはボランティア活動の一形態だが、社会人が仕事を続けながら、またその仕事を通して培ったスキルやノウハウを提供するということから、参加のハードルが低く、継続しやすいというメリットがある。また、支援する側もプロボノ活動を通して幅広い社会参加の機会を得られ、同時に自身のスキルアップも図れるという点から、世界中で社員にプロボノ参加を促す企業が増えている。
日本では欧米外資系企業を除き、認知度はまだ高いとは言えないが、社会起業家やソーシャルビジネスへの関心の高まりから、最近、IT・経理・広報・デザインなどの分野で、NPO等の非営利組織を支援するプロボノ活動が見られるようになった。
法曹界では、第二東京弁護士会が所属会員に対してプロボノ活動を義務づけている。2010年は「日本のプロボノ元年」と言われており、社会貢献の新しいスタイルとして定着することが期待されている。