The Hateful Eight
どこまでも続く白銀の世界を疾走する1台の駅馬車が、行く手を阻む一人の男の前で停まる。北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)、椅子代わりに座っているのは、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の凍った死体だ。この寒さで馬がやられ、誰かが通りかかって拾ってくれるのを待っていたのだ。馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)。ゴツい腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)がつながれている。1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の女で、散々殴られた顔で不敵に笑っている。
迫り来る猛吹雪から避難するため、ルースはレッドロックまでの中継地で、うまいコーヒーにシチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士洋品店へ向かうが、途中でもう一人、クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)を乗せる。マニックスは新任保安官としてレッドロックへ向かう途中だと主張するが、彼が黒人殺しの南部の略奪団の一員だと知っているルースは信じない。
ミニーの店へ着くと、ボブ(デミアン・ビチル)と名乗る見知らぬメキシコ人が現れ、母親に会いに行ったミニーの代わりに店番をしていると言う。凍えたルースはさっそくストーブの上のコーヒーを飲むが、ボブが作ったらしいそれは泥水のようにマズく、自分の手で淹れ直す。店には、3人の先客が吹雪で閉じ込められていた。まずは絞首刑執行人のオズワルド・モブレー(ティム・ロス)、洗練されているが、どこか胡散臭い英国訛りの男だ。そしてカウボーイのジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)、無口で何を考えているのかわからない。母親とクリスマスを過ごすために帰る途中だと言うが、とてもそんなタイプには見えない。そして最後に、サンディ・スミザーズ(ブルース・ダーン)、大勢の黒人を虐殺した南部の元将軍だ。
(公式サイトより)
タランティーノの西部劇映画第2弾。雪に閉じ込められた8人の男女撮影に70mmカメラを使用し、かつその横長拡大フォーマットを採用するという、往年の名作『ベン・ハー』と同じ撮影プロセスを採用したのも話題となった。残念ながら日本では70mm上映の予定はなし。