聖書解釈には、状況的、規範的、実存的の3側面に着目することが重要である。創世記1章において状況的という点は、執筆状況を取り上げたが、状況的面で常に重要なのは、文脈ということである。今回はその一例を紹介したい。聖書箇所はマルコ14:1,2の解釈である。文脈理解のために12:41から引用しておく。 41**,それから、イエスは献金箱の向かい側に座り、群衆がお金を献金箱へ投げ入れる様子を見ておられた。多くの金持ちがたくさん投げ入れていた。**42**,そこに一人の貧しいやもめが来て、レプタ銅貨二枚を投げ入れた。それは一コドラントに当たる。**43**,イエスは弟子たちを呼んで言われた。「まことに、あ…