第103話 失った時と 巡り会う。 この宿は、3階に上がるまでは アレだが… 上がってしまえば、そこは快適で清潔な空間だった。 この建物で、僕の別館エリアだけが まるで天国だった。 暗黒路地から、宿のガラス扉迄の "魔窟感" は凄いが、逆にギャップが大きくなり、よりこの部屋を素晴らしく感じさせる 笑 この3階フロアには、従業員さえいないので、今は僕一人しか居ない。 まるで、一軒 家を借りきった様な 贅沢な気分になっていた。 (清掃でベットメイキングしてくれる度に、 カップル仕様にセットしてくれるので、 バスタオルを 普通に四つ折りに畳み直し、 シーツに撒かれていた花びらを、ゴミ箱に 片付けるの…