(葡:Torre de Belém、英:Belém Tower)
ポルトガルの首都リスボンの市街西部、ベレン地区のテージョ川沿いにある16世紀の要塞。ポルトガル独特のマヌエル様式で、3階建ての石造の四角い塔である。モロッコ出身の建築家が設計したこともあり、イスラム建築の影響も見られる。ポルトガル国王のマヌエル1世(1469〜1521年)により、リスボン港の防衛とテージョ川を出入りする船の監視を目的に、バスコ・ダ・ガマのインド航路発見や、マゼランの世界一周の偉業を記念して建設された。1階には満潮時に水に浸される牢獄が、2階には砲台がある。眺めのよいテラスがある3階には王族の居室もあった。現在は小さな博物館になっていて、16〜17世紀の家具が展示されている。また、塔の周辺は公園になっていて、週末などには家族連れなどでにぎわっている。1983年、ジェロニモス修道院とともにポルトガルの世界遺産(文化遺産)に登録された。