カナダの作家、ヤン・マーテルの『パイの物語』( 原タイトル Life of Pi , 2001 ) を読みました。パイというのはお菓子のパイではなく、主人公16歳の少年の通称です。本作は2002年に英国のブッカー賞を受賞し、2012年には映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』が公開されました。映画のタイトルが示している通り、この小説は、インドの少年パイと、ベンガルトラ(リチャード・パーカー)の、227日に渡る漂流物語であるが、それだけでは終わらない。漂流物語は、主に第二部に集中しているため、第一部と第三部は一見無意味に感じられるが、全てを総合的に読むことで、解釈の幅が広がるように仕…