全575ページとディックの短篇集では最もページ数の多くてそれだけにバラエティ豊かな短編を収録してある。ディックの娯楽SFとしては他の追随を許さない「ペイチェック」のような明るい後味の作品もあれば「たそがれの朝食」のような時事性が極めて強い暗澹とした気分になる後味の作品もある。そういう意味でかなりお得ではあるけど、この本でしか読めない作品はないし発行年数とページ数の関係で本自体がやや脆くて破損しやすい欠点もあるから、無理に手に入れなくても良い一冊ではある。既に感想を書いている作品は省略した。 「小さな町」(Small Town)翻訳:小川隆 現実崩壊。「パーキー・パットの日々」にも通じる現実逃避…