吸血鬼ヴァーニー第一巻 2023年3月末、国書刊行会より「吸血鬼ヴァーニー 或いは血の饗宴」がついに刊行されました。この長編、もしかしたら一生邦訳にお目にかかれないと思っていた作品だったのですが、まさかこうして全訳されるなど夢にも思っていませんでした。一応、ツイッターで匂わせのツイートや、前回レビューした「新編 怪奇幻想の文学2 吸血鬼」には刊行予定であることがアナウンスされてはいましたが、実際こうして手に取ったときは感無量でした。今回はそんな吸血鬼ヴァーニーの第一巻のレビューをしていきます。ですがその前に、なぜ私がこれほどまでに待ち望んだのかを理解してもらうべく、これまでのヴァーニーという作…