1978年7月創設のインディペンデント出版社。『夜想』などの先鋭的な雑誌のほか、アート、映画、演劇、音楽、コミック、幻想文学など、幅広いジャンルの出版物を刊行。また海外のマイナー文学、奇書系単行本の版元としても注目を浴びる。2000年4月、おしまれつつも解散。元ペヨトルのメンバーたちは現在、新設された「ステュディオ・パラボリカ」に集結。「2-」、新生「夜想」などの雑誌を世に送り出している。
詩人吉岡実に、舞踏家土方巽についての『土方巽頌――<日記>と<引用>による』という書物がある。その「補足的で断章的な後書」によれば、 《「土方巽とは何者?」誰もがそう思っているにちがいない。この人物と二十年の交流があるものの、私には「一個の天才」を十全に捉えることは出来ないだろう。そこで私は自分の「日記」を中心に据え、土方巽の周辺の友人、知己の証言を藉り、そして舞踏家の箴言的な言葉を、適宜挿入する、構成を試みた。まさしく、「日記」と「証言」に依る「引用」の『土方巽頌』である。》 その方法にならい、吉岡実の詩、散文や討議・対談の発言を「引用」して、「吉岡実とは何者?」に少しでも迫ってみたい。吉岡…
2019年10月、論創社から刊行された小田光雄(1951~)のエッセイ集。装幀は鳥居和昌。日本古書通信連載。第29回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作品。選者は鹿島茂。 目次 1 近代古書業界の誕生 2 佐野眞一『だれが「本」を殺すのか』と大島一雄『歴史のなかの「自費出版」と「ゾッキ本」』 3 古本屋と『現代史資料』 4 『世界文芸大辞典』の価値 5 高浜虚子「杏の落ちる音」と岡田村雄 6 中村古峽の出版 7 三上於莵吉の翻訳 8 『村上太三郎傳』と『明治文学書目』 9 白水社『模範仏和大辞典』と仏文学者 10 戦前の『図書総目録』 11 「御愛読趣味家鑑」 12 北上二郎訳『悪の華』 1…
祖母が週一度連れていってくれた町の映画館。9歳の時、ガソリンを吸って「幻覚」を見る はじめに: デニス・ホッパーは、”アンディ・ウォーホル”より、マルチプルだ2010年春、前立腺癌の転移で74歳で死去した60'sカウンターカルチャーのヒーロー、デニス・ホッパー。しかしD.ホッパーをアルコールとドラッグ浸けで反体制的の破滅型シンボルと見立てると、D.ホッパーの本懐はまるでみえなくなります。 D.ホッパーは、およそアンディ・ウォーホルのようにマルチプル(多様にして複合的)な活動を展開してきたことはすでに広く知られていますが、D.ホッパーの「マインド・ツリー(心の樹)」そのものは、マルチプルな「コピ…
本の買取強化中です。JR小倉駅北口「小倉の古本屋」古書城田(旧ブログです) JR小倉駅北口(新幹線口)の古本屋、古書城田です。北九州市内をはじめ福岡県内&近県、本の出張買取、本の遺品整理を行なっています。大量歓迎です。査定無料、出張費無料です。どうぞご相談くださいませ。 (買取専門)093-551-3009 メール:shirota@mx71.tiki.ne.jp 古物商許可証 [第32483号/福岡県公安委員会] 全国古書籍商連盟北九州古書組合所属 店舗はJR小倉駅北口、徒歩1分の場所にございます。ファミリーマート小倉駅北口店さんのすぐ裏手となります。ご来倉の折は、どうぞお気軽にお立ち寄りくだ…
■今日買った本。計700円。 a)すずめ出版古書部にて。→臨時休業で初入店ならず。 b)プラハ書房にて。→初入店。 1・須永朝彦『血のアラベスク』新書館 ¥500 2・ヒサクニヒコ『恐竜図鑑』新潮文庫 ¥200 *** 昨日だか一昨日だか、南越谷駅前でリムジンバスを降りた場合、そこから行ける範囲に何らかの古書店がないだろうかと地図検索をしたら、見つけたのが、a)とb)だ。本日昼、予定通り、リムジンバスを降り、まず北西のa)へ向かうと、臨時休業の貼り紙。ただし、明日は営業する旨明記してあったので、そのことを希望に来た道を戻る。南東へ歩いて行き、何とかb)を見つけると、まだ開店していないのか、それ…
音楽のモダニズム 「〔19世紀以来の近代資本主義の文化的表現〕では、制度や慣習がどうであれ、私は自分をこのように表現するという、近代的な主体の表現としての芸術が目指される。〔…〕それにあたって、〔…〕絵画は絵画に固有のランゲージ、音楽は音楽に固有のランゲージへと、自己批判を通じて自己純化をしていけばいい〔…その結果〕一方には、芸術家というハダカの主体、他方には絵画でいえば平面の上での色とかたち、音楽でいえば時間の中での音の組織の展開だけが残る。(浅田彰「ポストモダン・アート」、『ur』No.2, ペヨトル工房、1990) ヨーロッパ芸術音楽(いわゆる「クラシック」)におけるモダニズム Scho…
講義 近代における「芸術」概念 「〔19世紀以来の近代資本主義の文化的表現〕では、制度や慣習がどうであれ、私は自分をこのように表現するという、近代的な主体の表現としての芸術が目指される。〔…〕それにあたって、〔…〕絵画は絵画に固有のランゲージ、音楽は音楽に固有のランゲージへと、自己批判を通じて自己純化をしていけばいい〔…その結果〕一方には、芸術家というハダカの主体、他方には絵画でいえば平面の上での色とかたち、音楽でいえば時間の中での音の組織の展開だけが残る。(浅田彰「ポストモダン・アート」、『ur』No.2, ペヨトル工房、1990) 様式論とフォーマリズム クレメント・グリーンバーグの理論 …
補足:名所と風景 柄谷行人「風景の発見」(『定本 日本近代文学の起源 (岩波現代文庫)』) 王朝文化への憧れ | 承天閣美術館 | 臨済宗相国寺派 蔦の細道 - Wikipedia 講義 「芸術/アート」とはなにか? げい‐じゅつ【芸術】:『広辞苑』の定義 [後漢書孝安帝紀]技芸と学術。 art=技術・学問・芸術 「art」の用法の歴史 技術/技芸 美しい芸術 「芸術のための芸術」 Home : Oxford English Dictionary 時代区分について 三分法:古代・中世・近代 五分法:古代・中世・近世(初期近代)・近代・現代 近代における「芸術」概念 「歴史や文化から自立した『作…
本を愛する人は決して油断してはいけない。気になる本はとにかく気になった時に買うのだ。…と前回書いた。自分の本棚を見て、あれもこれももう新しい本では手に入らないのだなあ…と思うと感慨深いものがある(今部屋の整理をしているのである)。そしてできるだけ思い入れのある本は手放すまいと決意するのだった。 というわけで、前回に引き続き持っててよかった絶版本を紹介してみる。なお、筆者の気分により今回は海外文学を取り上げる。 1.「キス」 キャスリン・ハリソン著/,岩本 正恵訳、新潮社 2.「リービング・ラスベガス 」ジョン・オブライエン 著/,小林 理子 訳、角川書店 3.「異形の愛」 キャサリン・ダン 著…
買って後悔するより 買わないで後悔するほうが 何倍もダメージが大きいと気づく 私はプレミアソフトを調べるのが好きです なので、暇があると ずっとプレミアソフトの値段を調べています そして最高に楽しいです そんな時に、 「こんなに値段が上がってるの!!」と驚くことがあります。 数百円や1000円前後で買えたのに、 値段がいつの間にか上がっていて、ビックリする。 こんな衝撃です。 そして、そんな衝撃は、 昔のゲーム機であればあるほど大きいです。 つまり、 このブログの読者層である 30代、40代の方が最も遊んでいたゲーム機です。 ですので、私と同じように 衝撃を受けてもらえると思った訳です。 そし…
メモランダム 1988年9月刊行の『WAVE』(特集:サイバーシティ東京)を読んでいて、「デッドテック」という言葉を知る。おそらく現在はもう生き残っていないヴォキャブラリーではないか。先端的なテクノロジーのイメージと死や病や崩落とが結びつく表現が、この頃に盛んになることに注目してきたのだが、「dead tech」という撞着語法的な語彙が当時存在していたとは。 武邑光祐インタヴュー(聞き手:小川巧)「デッド&サイバーテック」 この特集号には、まず武邑光祐のインタヴューが収められている。武邑は、1980年代の初めから「デットテックな人工自然」に関心を寄せ始め、それはS.R.L(サヴァイヴァル・リサ…
ストリートの思想 転換期としての1990年代 (NHKブックス)作者:毛利 嘉孝NHK出版Amazon ストリートカルチャーについて知見を深めるつもりで適当に手に取ったら,社会科学/現代思想の本だった。「〈ストリート〉の思想」じゃなくて「ストリートの〈思想〉」だったというか。要するに以前はアカデミアの世界にあった〈思想〉が,今やストリート――物理的な意味でも象徴的な意味でも――に飛び出して,実践と結びつている,みたいな。 この本は『政治』と『文化』,そして『思想』のトライアングルを主題にしている。この三つの中に『ストリートの思想』は,どこかおさまりの悪いまま位置づけられている。 ということで,…
gazo 宮西計三『エステル あふれてくねるもの』(ペヨトル工房)p.128より引用 宮西計三『エステル』(ペヨトル工房)p.4-5より引用 同、電子版No.9-10より引用 宮西計三『エステル』(ペヨトル工房)p.54より引用 『季刊コミッカーズ』1995秋号(美術出版社)p.120より引用 『季刊コミッカーズ』1995秋号(美術出版社)p.120より引用 宮西計三『リリカ<叙情>』(ペヨトル工房)p.98より引用 夜話.zip『エロマンガベスト100』p.018より引用
承前*1以下エログロ注意。切腹考 鷗外先生とわたし (文春文庫 い 99-2)作者:伊藤 比呂美文藝春秋Amazon伊藤比呂美「切腹考」。1980年代に伊藤さんが「Bという雑誌」の企画で「生の切腹」を見物した話。 あれは、 Bという雑誌であった。ある日とつぜん電話がかかってきて、切腹の実演を見ませんか、そしてそれについて書きませんかと言われた。 Bは、変態がテーマの雑誌だった。変態雑誌なら、その昔、Kという雑誌があった。K誌の名は、切腹好きならみんな知っている。千葉徳爾先生の『切腹の話』は一九七二年の発行だ。切腹愛好家なら、みんな読んでいる名著である。そこに引かれたいくつもの切腹例が、まさにこ…