息子2作のみそ汁 毎夜息子に本を読んでいるので、自分の読書はほとんど進まない。先月「もみのきぶんこ」へ行ったとき、ずっと気になっていた名作をお借りし、秋の充実した読書タイムが叶った。図書館で借りたのだったら、忙しさに紛れてそのまま返していたかもしれない。 J.D.サリンジャー著 野崎孝訳 白水社 1984年 あまりにも有名な『ライ麦畑でつかまえて』は、文体が独特で入り込むまでに少し時間がかかったけれど、名作と言われるからには面白みがあるはずと信じて進み、半分以上過ぎた頃にようやく主人公のひとり語りが心地よくなってきた。「死んでから花をほしがる奴なんているもんか。一人もいやしないよ。」若く高潔な…