ジェローム・デイヴィッド・サリンジャーの大ヒット小説;『ライ麦畑でつかまえて』の主人公。 劣等生で何度も学校をクビになっている。 若いのに白髪が多く、大人達のインチキが大嫌い。 その割に神経質で虚言癖の持ち主。 おまけに人間関係を築くよりも壊す方を選んでしまう背反した行動は結果、彼を通常世界からドロップアウトするきっかけとなってしまう。 若さ故の過剰な純真さと誠実さの暴走を持った精神性は反逆のヒーローとして広く親しまれている。
兄:D.B 弟:アリー 妹:フィービー
このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年 (新潮モダン・クラシックス) 作者:J・D・サリンジャー 新潮社 Amazon 『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年』J.D.サリンジャー著 金原瑞人訳を読む。 訳者あとがきによると、この9篇は単行本未収録の作品だとか。ぼくは19歳の時、『ライ麦畑でつかまえて』で主人公ホールデン・モリシー・コールフィールドに深く、強く共感したが、その後のホールデンを書いた作品があるとは知らなんだ。これらが『ライ麦畑でつかまえて』につながるわけなんだけど。 ホールデンものとそれ以外の初期の作品。それから最後の作品『ハ…
引用元:映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」公式サイト 世界一知られた青春文学といっても過言ではない『ライ麦畑でつかまえて』の作者J・D・サリンジャーの伝記映画ですΣ(・ω・ノ)ノ! 伝記映画が制作されているとは知りませんでした。『ライ麦畑でつかまえて』のタイトルには『キャッチャー・イン・ザ・ライ』や『ライ麦畑の捕手』『危険な年齢』などがありますが、バニラは『ライ麦畑でつかまえて』の邦訳タイトルがめっちゃ好きなんですよ(≧▽≦) この短いタイトルのなかで色々なストーリーが想像できて、絵画的、響きも美しい、これ以上の邦訳はないと思います。 『ライ麦畑でつかまえて』というタイトルで…
〇感想 世界的に愛されている名作故に、哲学的なことや道徳的なことが描かれているイメージを抱いていたのだが、予想と全く異なることに驚いた。その一方で、この小説が、世界中の多くの若者に愛されていることに納得した。なぜなら、本作の主人公のホールデン・コールフィールドは、俗にいう中2病っぽい青年であるからだ。(主人公は16歳だが) この小説は、17歳のホールデンが去年のクリスマスを振り返るという構成で、全てホールデンの1人称で語られる。その皮肉を込めた言い回しや、同級生や先生をバカにする感じ、恋愛に興味がありつつもそれを認めない様子などが、なんだか中二病を彷彿とさせる。また、ホールデンはかなり口が悪く…
Ⅰ.始めに 1.始めに Ⅱ.語りの構造、背景知識 1.等質物語世界の語り手「僕」=ホールデン少年 2.朦朧とした語りの背景に滲む家庭の不穏 3.ユーモアのセンス。ラードナー、ドストエフスキー、サローヤン、チェーホフ、カフカ、フローベール、オースティンの影響 4.タイトルの意味 Ⅲ.物語世界 1.あらすじ 2.登場人物 Ⅳ.総評 1.青春残酷物語の佳品 Ⅴ.関連作品、関連おすすめ作品 参考文献 Ⅰ.始めに 1.始めに 実は誕生日が近いのです。あとグーグルアドセンスも無料版かつ投稿二十日ちょいで一発合格しました。なので(?)、記念としてタイトルを回収するべくサリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』のレ…
★この記事を読むと、アメリカの小説家・J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読みたくなります。 ★詳細はこちら→『ライ麦畑でつかまえて - Wikipedia』 ★詳細はこちら→『J・D・サリンジャー - Wikipedia』 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)}…
癸卯年閏二月十七日。耶蘇受難節。気温摂氏16.4/22.8度。曇のち雨(4.0mm)。ぎっくり腰は漸く長く椅子に腰かけてゐたアト以外は痛みも感じないほどになつた。もつと早く医者に診てもらふとか鎮痛剤の服用をすべきだったのに、とにかく安静が大切で日が経てば治ると悠長に構へていたのがいけなかつた。一昨日通りがゝりで馴染みのパン屋に「明日寄るから5枚切りの食パン一斤取り置きしておいて」と言つてゐたのに昨日は腰痛と急な通院で午後6時のパン屋閉店時間に間に合はず申し訳ないことしてしまひ本日平謝り。昨日の食パン残しておいてくれたら、それを購入するのに「腰痛がひどいんだと思つてゐましたよ」と今日焼いた食パン…
これはとてつもなく大きな愛を持った人の物語です。この人物無しではどこかで破綻をきたしていたでしょう。 その人と関係のある人物の全員がどうやったら幸せになれるのかを考え実行します。そしてそれを公言することは決してありません。利他の塊のような人です。 富山県の大自然とこの人物がとても共通しているように感じました。どっしりとしていてそこに居る人々を優しく見守ります。時には厳しいと思えることも長い時間軸で見ると愛でしかありません。 そして鍵となるある本が2冊登場します。本も登場タイミングも絶妙です。 サリンジャーさんが「ライ麦畑でつかまえて」の中で、「良い本というのはその作者に電話をしたくなる」という…
『ライ麦畑で踊れ』ロケ地(?) ※画面に映っているのはライ麦じゃなく稲穂です、念のため 振り返るも何もとっくに年越してるじゃねえか、というのはご容赦いただきたいのです。やろう、やろうと思って平気で1ヶ月、数ヶ月、1年と過ぎ去ってしまうのは年を取るせいなのでしょうか、実際、光陰は年を取れば取るほど矢の如くですね。 とはいえ、昨年からの宿題を溜めておくわけにもいかないし、ちょうど先だって書いたものとの関連もありますので、そういう踏ん切りで振り返りを再開しようと思います。暇な向きはしばしお付き合いを…… www.pixiv.net 『ライ麦畑で踊れ』は昨年ポケモン小説wikiで行われたイベント「第十…
この映画『フィールド・オブ・ドリームス(Field of Dreams)』は、1989年に公開のアメリカ合衆国の映画です。ウイリアム・パトリック・キンセラの小説である『シューレス・ジョー』を原作にフィル・アルデン・ロビンソンが監督と脚色を兼任しました。ケビン・コスナー主演で、なんと、あのバート・ランカスターが劇場映画最後の出演で脇を固めています。 目次 1.紹介 2. ストーリー 1)プロローグ 2)決断と理解 3)待ち人来る 4)次の言葉 5)新たな掲示 6)新たな同乗者 7)フィールド・オブ・ドリームス 8)声の意味 9)エピローグ 3.四方山話 1)原作者 W.P.キンセラ 2)映画『ハ…
書評投稿サイト「シミルボン」に別名義で投稿していたものを加筆修正しながら移植しています。 中学3年生の夏の帰省のことだったと思う。祖母の家の裏から持ち帰った四葉のクローバーをいとこに見せびらかしていたら、叔父が「押し葉にしてあげるよ」と本に挟んでくれた。そして東京の家に帰る日、叔父は「いらない本に挟んでおいたから、本ごと持って帰っていいよ」と1冊の文庫本を渡してくれた。J・D・サリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」だった。古いしシミだらけだしなんか茶色いし臭いし、本棚から一番汚いのを引っ張り出してきたんだろうと思ったので疑わずにもらって帰ったが、学校教員の叔父のことだから、今思えば本当に「いら…
2020年の映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』を見ました。1995年20代の作家志望のジョアンナが出版エージェントの会社に入り、サリンジャーと交流を持つ話です。 主演の女優はマーガレット・クアリー。知らなかったけれど、1989年当時26才だったスティーヴン・ソダ―バーグ監督の『セックスと嘘とビデオテープ』で有名なアンディ・マクダウェルの娘。そう言えば少し似ている。出版エージェンシーの経営者マーガレットにシガニー・ウィ―ヴァ―。クアリーもでっかい(173センチ)けど、並ぶとシガニーはもっとでっかい(182センチ)。だってエイリアンと戦った女戦士だったんですから。 さて邦題は原題にあるSali…
私がこの作品を超名作と評していながらも、人にはおすすめできない理由。 そのひとつは主人公ホールデン・コールフィールドがどうやっても救われない物語だから。 病気や事故で死んじゃうとかそんな安っぽいオチではありませんよ。いわばこれは人間に産まれてしまったが最後、逃れられない宿命のような話です。 もう一つ、この物語はホールデンが私達に語りかけてくるような口語調で進んでいくのですが、彼の話すことはどうも要領を得ない。 理路整然とした語り口調が好きな人には少々酷だなと思います。 ですがこの「で?結局なにが言いたいわけ?」と人によっては心をピリつかせるような文章こそこの作品の真髄です。 まさに社会に溶け込…
ブックセラーズ・ダイアリー:スコットランド最大の古書店の一年 作者:ショーン・バイセル 白水社 Amazon 〔ジョージ・〕オーウェルが本屋になることをためらった気持ちはよくわかる。テレビドラマ「ブラック・ブックス」でディラン・モーランが見事に演じてみせたような、怒りっぽくて気難しい人嫌いの書店主、というステレオタイプは、おおむね事実のようだ。もちろん例外はあって、このタイプにあてはまらない本屋もたくさんいる。しかし悲しいかな、ぼくはまさにこのタイプなのだ。もっとも最初からこうだったわけじゃない。今の店を買う前は、かなり素直で人なつこいたちだったと思う。一日中くだならい質問を浴びせられ、商売は…
謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書) 作者:竹内康浩,朴舜起 新潮社 Amazon 『謎ときサリンジャー-「自殺」したのは誰なのか-』竹内康浩著 朴舜起著を読む。 サリンジャーの『バナナフィッシュにうってつけの日』は、『ナイン・ストーリーズ』野崎孝訳で十代の終りに読んだ。ほぼ半世紀後に柴田元幸訳で再読した。 バナナフィッシュがけったいな魚であることとシーモアが突然拳銃で自殺したことの不可解さを再認識した。 そこで「文学探偵」竹内康浩が助手の小林少年的役割の朴舜起とともに、ほんとうにシーモアは自殺したのかと原作を綿密な捜査のように査読、分析、推理する。 いやあ、これが、すご…
BGM: Phil Collins "Another Day in Paradise"高橋源一郎が『失われたTOKIOを求めて』という本を出していたことを知る。興味を持ち、私自身早稲田に通っていた4年間東京に住んでいたことを思い出した。ああ、アホみたいなことをたくさんやってしまった大学生活だった。宍粟市で過ごした十代、私は東京に行けるなら行ってみたいと思っていた。こんなど田舎で自分の人生を送るなんてまっぴらだ、と思っていたのだ。ピチカート・ファイヴが歌う華やかな東京ライフに憧れたあの時代……結局東京に行っても生きづらさはぜんぜん改善されず、就職が見つからなかったこともあってこっちに帰ってきてし…
// ここでも外でも、再三言っている。私にはやはり、誰かの幸福を「祈る」というのが、世間で評されているほど美しいものだとはあまり思えないと。 ただ幸せを願うだけで、実際に何もしないのはとても簡単だし、それゆえに楽だ。言葉だけ、口だけで形式は意外と成り立つ。しかも厄介なことに、願いや祈り……それらの言葉自体は非常に、ときどき怖いくらいに美しいから、発話者が抱く無自覚の欺瞞を隠すための優秀な蓑になってしまう。 逃げではない「本物の祈り」は、血眼になって探しても、なかなか見つからないくらい珍しい。もちろん祈りのみに限った話ではない。 例のホールデン・コールフィールドも、おそらく、そう感じた瞬間が相当…