土曜日 ナボコフのロリータ 71-, 11章 日記。1947年6月のほとんどの日を収録。 5月30日について、 80 木曜日。昨夜、私たちはピアッツァで座っていた。ヘイズの奴、ロリータ、それに私だ。あたたかい夕暮れがもうすっかり艶めかしい暗闇に変わっていた。女主人はたった今、いつか冬にLと一緒に観た映画の筋書きを事細かに語り終えたところだった。ボクサーがひどく落ち込んで、気のいい牧師に相談するという話だ(この牧師も屈強な若者だった頃はボクサーをしていて、まだ今でも罪人を殴り倒せる)。 107 私たちは空想としか思えないほど、神々しいまでに二人きりだった。 109 その後すぐに(まるで取っ組み合…