ボリス・ヴィアン(Boris Vian) 作家、詩人、ミュージシャンなど。
<プロフィール> 1920-1959 フランス パリ郊外生まれ (男) ジャズ・トランペット奏者、シャンソンの作詞作曲をする傍ら、小説、戯曲を書いた。 すべてのルールと理論を拒否し、自由自在な言語表現に徹した彼の作品は死後、コクトー、サルトルらに評価されて若者たちの爆発的支持を得る。 39歳の若さで死去。
・小説(ボリス・ヴィアン名義)
・小説(ヴァーノン・サリヴァン名義)
・詩集
・戯曲
だいたい読んだ順、逐一メモってなかったので上にいくほど記憶があいまい。 うたかたの日々,ボリス・ヴィアン,光文社 訳は野崎歓。めっちゃよかった。比喩表現が字義通りに物質化されるような世界観。 著者はウリポ界隈の人で、文学だけでなくジャズミュージシャンでもあったがそれに加えてタイヤの特許も持っているってどんだけ多才なんだよ。 私のフランス語レベルは保育園以下級なので無理だが、読めるなら原語でよんだほうがいいのかも。 貴族故でもあるが、お前らどんだけ労働を蔑視するん?これフラグやろと思っていたら案の定……という展開。 しゃべるネズミ、春樹の初期作、羊の冒険などはここから影響を受けているのか? 生殖…
お前らの墓につばを吐いてやる (河出文庫 ウ 9-1) 作者:ボリス・ヴィアン 河出書房新社 Amazon 『お前らの墓につばを吐いてやる』ボリス・ヴィアン著 鈴木創士訳を読む。 『墓に唾をかけろ』の新訳。何せ読んだのが、どえらい昔なので、まったくの初読状態。「ボリス・ヴィアンがヴァーノン・サリバン名義で出版した小説『墓に唾をかけろ』」翻訳がボリス・ヴィアンという体で。らしいっちゃらしい。それがデビュー作とは。 訳者あとがきによると、「ヴィアンはレイモンド・チャンドラーの仏訳者」。ハードボイルドを書き上げるのは朝飯前だったかも。今読んでもなかなかエロくてグロくて刺激的。ベストセラーになるのもわ…
こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、ボリス・ヴィアンの傑作小説『日々の泡』(原題:L’Écume des jours)についてお話ししたいと思います。フランス文学の中でも一際異彩を放つこの作品は、美しさと哀しみ、ユーモアと絶望が泡のように交錯する、まさに唯一無二の小説です。 魔法のような現実、現実のような魔法『日々の泡』の世界は、まるで夢の中のようです。登場人物がピアノを弾くとカクテルができあがり、部屋の空気が感情によって色を変え、日々の暮らしが詩のように流れていきます。主人公コランの恋と友情、音楽と料理、ユーモアと不条理――ヴィアンは日常を絵本のように描きながら、その裏に深い哀…
名前は知っていても、手に取らなかった本のうちの一冊である。 なぜ手に取らなかったのかは分からない。 物語としては悲劇的な恋愛譚と言っていいのだろうか。 コランとクロエ、彼らの周りに、シック、ニコラ、アリーズ、イジスの6人が物語の中心にいる。 一目惚れから結婚、そして病に倒れ、やがて死に至る、という物語は単純ながら、様々な造語やイメージが散りばめられ、まるで奇譚のようではある。 だが、それらの突拍子もないイメージは、謂わば比喩の直截な表現であり、むしろ不可解な病で死にゆく連れと財産を失っていく物語そのものの若者らしい想像力を、魅力として感じてしまう。 ではもし10代の頃の自分がこの本を手に取って…
ボリス・ヴィアン全集〈12〉醜いやつらは皆殺し 作者:ボリス・ヴィアン 早川書房 Amazon さて、ボリス・ヴィアンである。作家、ジャズトランペッター、歌手、画家、俳優、などその多才ぶりは、おフランス好きの少年・少女、元少年・少女にとっては胸を焦がす永遠のアイドル的存在である。 彼の著作というと決まり文句のように『うたかたの日々』や『心臓抜き』、『墓に唾をかけろ』あたりが挙げられるが、僕は『醜いやつらは皆殺し』(ボリス・ヴィアン全集12)を第一に取り上げたい。 これはいけます。『うたかたの日々』で挫折した人もすいすい読めます。久しぶりに再読してみたが、「僕」の一人称で書かれた文体は、全然古び…
この映画に興味を持ったきっかけは香水だった。 ムードインディゴ lesillage.thebase.in ふわふわっとした花の香りから段々と水辺の匂いになり最後は深い水底に来たような感覚になる何とも言えない香りだった。 この香りは「うたかたの日々」と言う映画をモチーフにして作られたと言う。 肺の中に睡蓮の花が咲く病気になった妻の為に奔走する男の物語らしい。 とてもシュールな映画でダンスシーンで人物の足がびょーんと伸びたりするとかなんとか、、 不思議でロマンチックな物語なのかな?と興味をそそられた。 アマプラで無料では無かったのだけど、どうしても観たくなってレンタルして観ました。 見初めて5分で…
仏文50チャレンジ第6回の感想は、第14位の『うたかたの日々』(光文社古典新訳文庫、野崎歓訳)についてです。 前回『三銃士』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com あらすじ 空想が現実に存在する世界。十字架のイエスが話し、そしてジャン=ソール・パルトルが熱狂を生み出している世界。 自由気ままに生活できるほどの資産を持つ若者コランは、ある日デューク・エリントンの曲と同じ名前を持つクロエと出会い、結婚する。 幸せの絶頂にあったが、ある日クロエの肺に睡蓮が成長していることが判明。治療のため、コランは花を買い続ける。次第に資産が尽きコランはついに働き始めるが、その努力も虚しく…
昔読んだフランス小説に、大切なものは恋と音楽だけでほかのものは消えていい、という一節があった。 私がこの世界に残しておきたいものを2つだけ選ぶとしたら、なにを選ぶだろう。そんなことを『ヒルナンデス』を観ながらぼんやりと考える。 平日お昼に放送されているこのTV番組は毒にも薬にもならず、ただ眺めているだけで時間が過ぎていく。ほかの局がこぞってウィルス感染者数の拡大を報道しているときも、まるで違う世界線から放送されているようにのんきにファッションコーデバトルをしていて、どこか救われたような気がした。 2020年、私たちはいろんなことを制限されてきた。夏も終わりに近づき、少しずつ外出の機会も増えてき…
うたかたの日々 (光文社古典新訳文庫) 作者:ヴィアン,野崎 歓 光文社 Amazon ★★★ 有閑階級の青年コランは、パーティーでクロエという名の女性と出会ってデートする。やがて結婚した2人だったが、クロエが胸の病気に冒されるのだった。医者の検査によると、肺の中に睡蓮が生えているという。金に困ったコランは、治療費を稼ぐために働きに出る。 「あの人たち、どうしてわたしたちのことをあんなに軽蔑するの?」クロエが尋ねた。「働くのは、そんなに立派なことかしら……」 「連中は、働くのは立派なことだといわれて働いているんだよ」コランはいった。「一般論としては、働くことは立派なことなんだ。でも実際にはだれ…
ムード・インディゴ~うたかたの日々~(字幕版)Amazon 作品概要・所感 渋谷シネマライズにて。ディレクターズカット版を見てきた。ヴィアンのファンなら見て後悔はしないはず…と聞いていた本作だけれど、たしかにかなり原作(『うたかたの日々』/ボリス・ヴィアン)を尊重した作りになっていたようにおもう。ミシェル・ゴンドリーならではの、キュートでおもちゃっぽく、ときどきシニカルな映像との相性もかなりよかったんじゃないだろうか。少なくとも、俺は結構気に入った。 ヴィアンの文章には、言葉遊びやシュルレアリスティックなイメージがたくさん出てくるので、「あー、ゴンドリーはあのシーンをこういう風に読んだんだなー…