ボルゲーゼ美術館(ボルゲーゼびじゅつかん、Museo e Galleria Borghese)は、ローマにある、イタリアルネサンス・バロック美術中心の美術館。
ローマ市内、広大なボルゲーゼ公園の一画にあるこの美術館には、シピオーネ・ボルゲーゼ(1576年 - 1633年)が収集した作品を中心とした美術コレクションが展示されている。シピオーネ・ボルゲーゼは教皇パウルス5世の甥で、ベルニーニやカラヴァッジオらの芸術家を見出し、多くの作品を注文したパトロンでもあった。
建物の完成から約2世紀を経た19世紀初頭、ナポレオン・ボナパルトが、ボルゲーゼ家の多くの美術品をフランスに持ち出し、ルーヴル美術館に移してしまうという事件があった(当時、ボルゲーゼ家は経済的危機にあって所蔵の美術品を手放しつつあった。加えて、当時のボルゲーゼ家当主カミッロの妻はナポレオン・ボナパルトの妹ポーリーヌであった)。こうした事件を経てもなお、当館にはルネサンス・バロック期のイタリア美術の優品が数多く伝えられている。
なお同美術館は、現在は予約制となっている。