ーーーー講義録始めーーーー 3つ目は「ボルツマン定数」についてです。ボルツマンという名前はあまり聞き慣れないかもしれませんが、これはルートヴィッヒ・ボルツマンという19世紀後半に活躍した理論物理学者の名前に由来します。ボルツマンは、膨大な数の原子や分子が関わる現象、いわゆるマクロな現象を、原子や分子の立場から記述しようとした物理学者です。 例えば、コップの中の水や、シリンダーに閉じ込めた気体の振る舞いなど、私たちの身近なマクロなスケールの現象を、ミクロな粒子の視点から理解しようとしました。ボルツマン定数は、このような熱統計力学において重要な役割を果たす定数です。 具体例として、富士山の山頂では…