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ポストモダン

(社会)
ぽすともだん

六十年代のフランス思想を中心として「近代・モデルネ」を総体として対象化し、問題としてとらえ、とくに「近代」の主意主義的個人主義、工学的・道具的理性、普遍主義的傾向(主体、合理性、形而上学)を批判する思想潮流を、外部からジャーナリスティックにラベリングした言葉。とくに、その名で概括される諸思想に緊密な思想的関係があるわけではない。

また、そうした思想的傾向の背景となった、「近代的」とは異なる特徴を帯びた、社会的状況をも意味する。その具体的内容は論者によってさまざまであるが、多くの場合、資本主義の高度化とグローバル化、情報化などが指摘される。


  • ポストモダンをある歴史的時期として定義することは、とりあえず、できない。なぜならば近代のはじまりを、国家、議会政治、市民階級、税制・・・といった観点からとらえるようには定義できず、すなわちわれわれはいまも今後も近代(=モダン)が伸びてゆく時間軸とともに生きていかざるを得ないからである。これによってポストモダンを単に、思考の態度の問題へと還元する立場が生まれるわけだが、これを是とすべきかどうかは一義的にはなんとも言えない。(ここで言う思考の態度とは、その思考の対象をすべてパラメータの束と見なし、変更可能な読み直しが行いうる、という態度である。関連項目:脱構築)
  • ただし、別のステージでは、やや別の見方も成り立つ。近代(=モダン)という時代がある程度、鉄鋼や造船がリードした産業資本主義の発展と平行して発展した点に着目するならば、ある程度は、その後、情報産業がリードするようになった時代を、ポストモダンと呼ぶことによって、ある独特の見晴らしを得ることも(場合によっては)可能である。
  • さらにこの議論を発展させるならば、1971年という年が、変動相場制のはじまった年である、と同時に、先進国でサービス産業がGDPに占める割合が50%を超えはじめた年でもあることに注意を喚起する声もある。
  • そのほか風俗年表的な定義を導入するならば、ポストモダンという用語は、1980年代初頭に、建築デザインの世界から生まれ、その後、すぐにファッション業界に飛び火した。そこでの意味は、<折衷様式>であったり、<シンメトリーの、ずらし>であったりした。(一部の意見では)もちろんただの流行であり、現在、後世に生きる我々が、そのような妄言に耳を貸す必要はまったくないとされる。

一般的には思想用語としてよりも建築やファッションで使用されるケースの方がずっと多い。

  • この用語は、一部で、やたらと評判が悪い。よって、それを用いる者には、降りかかる危険を未然に防ぐため、相手の教養の成り立ち具合に一応の留意が必要である。似たような境遇に生まれ、現在おなじく困難な状況に置かれている用語に、脱構築がある。ただし、それ以前に自分の教養の成り立ち具合に留意が必要である。
  • 略称に、ポモ。po-mo。ただしこれは蔑称あるいは差別用語ではないか、という声も一部の世代からはあがっており、今後< 政治的に正しいポモとは> といった議論も予想される。
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