www.kodansha.co.jp たしか三十代前半くらいのときにいちど読んだ。軽妙な関西弁と奈良を舞台とした親しみやすい物語で、かなり気に入っていた。なのでずっと本棚で眠っていたこの本を無性に今読みたくなり、一気に読みかえした。 化粧品容器の製造工場でライン作業に従事しているナガセは二十九歳独身で、母親とふたり暮らし。新卒で入った会社をモラルハラスメントで退職した経験がある。当時の交際相手もかばってくれなかったようだ。そうした理由もあって、未来や人生への漠然とした不安からか暇や隙間の時間を嫌い、いくつかの副業をぎゅうぎゅうにつめこむことで忙しく生きる彼女は「子もいない、結婚もしていない自分…