・…僕らはみんな、僕らが生まれるずっと前に起こった何か、知ることを許されなかったその何かに対しての代償を支払ってきたのだ。結局のところおそらくそれは、誰一人その核心に手を触れることのできない謎として残ることだろう。 ・「おい坊主、死んだ人を踏みつけにしてはならん」と老人は指を突き出すようにして僕に言った。「断じてならん。いいか、おまえは死者の残したものの上に生きているんだ。」 ・おまえはうちの一家が救済されるための最後の望みなんだよ。 ・人の敵は、その家族の内にあるであろう。「マタイ伝」 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 殺人犯の家族自らが語る壮絶な鎮魂の書ともいうべきノンフィクション。目には見えずとも明ら…