www.youtube.com マグヌス・フォン・ホーンの新作『針を持つ少女(原題)』を観た。第97回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされている。第一次世界大戦後のコペンハーゲンを舞台に、工場労働者である主人公が工場長との子を宿したまま行き場を失い、堕胎にも失敗したところを養子縁組業者の女性に助けられるが...という話である。 実際の事件にインスパイアされている本作は、描かれる事件そのものは陰惨であるが、より強調されるのは、抑圧的なその社会構造であり、子供や女性、見世物として生きる「奇形者」たちである。劇中、彼らは別に聖人として描かれるわけではないが、それでも構造の犠牲者だというふうに…