「ああ、人生よ、私を受け入れてほしい。-私を価値あるものとして欲しいー教えて欲しい。私は書いた。顔を上げた。庭の木の葉がざわめく。空は薄く青く、私は泣く。難しいことだ。良い死を迎えることは難しいことだ」 著者の日記より ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 結核により34才という若さで他界した19世紀の女流作家、ニュージーランドの首都ウェリントン出身でその生家が記念館として残っている。学生時代にロンドンに居を移し主な執筆はヨーロッパでなされたが、著作のところどころには故郷であるニュージーランドの面影垣間見れる。 「玄関前には一握りほどの芝地があって、真ん中にはマヌカの木が立っていた。その木の下のデッキチェアにす…