Marco Bellocchio
イタリアの映画監督。ドキュメンタリー作家。オペラ演出家。 主な作品に「ポケットの中の握り拳」「中国は近い」「愛と怒り」「父の名において」「凱旋行進」「虚空への跳躍」「ヘンリー4世」「肉体の悪魔」「サバス」「審判」「蝶の夢」「乳母」「母の微笑み」「夜よ、こんにちわ」など。
肉体の悪魔 [DVD]
Prince of Homburg [VHS]
The Conviction [VHS]
The Eyes, The Mouth [VHS]
夜よ、こんにちは [DVD]
China is Near
Score
La Nourrice
「1980年代初頭のイタリア。マフィアの争いが激しさを増す中、パレルモ派の大物であるブシェッタはブラジルに逃走。祖国に残された家族や仲間はコルレオーネ派に報復され、ブシェッタも逮捕されてイタリアに引き渡される。帰国したブシェッタにマフィアの撲滅を目指すファルコーネ判事が協力を依頼。麻薬取引と殺人が横行する犯罪組織コーザ・ノストラに幻滅していたブシェッタは、判事への協力を決意す」シネマトゥデイ 知った顔がないので、ハリウッド映画のような派手さはありません。 そういった意味では少し退屈でした。 展開的にはわかりやすいです。 それでは・・・。 2019年 イタリア / フランス / ブラジル / ド…
シチリアマフィア界の大物幹部やファミリーが勢ぞろいする夜の煌びやかなパーティ。表向きは穏やかな雰囲気を醸し出しているが、パーティを名目にしてマフィア組織の二大勢力の仲裁を試みるパレルモ派大物ブシェッタは会場の随所に不穏な空気を感じ取る。建物内の賑やかさと建物外の静寂さを交互に見遣る、ブシェッタの緊張感をともなった視線の動きを丁寧に追うシーンはベロッキオの過去作品から抜き出された幾つかの印象的なシーンと交錯するように僕の脳内にオーバーラップされてくる。登場人物の情動の初期段階に生起する心の機微を周辺の事象と織り交ぜながら穿つ巧みな描写にはベロッキオならではの、ただならぬ不吉な予感が映画の始まりに…
●概要 ●海外勢811名 ●概要 映画監督、脚本家、プロデューサー、俳優、その他スタッフといった映画人が影響を受けた・好きな映画。 「国別」、未個別化「一覧」、それ以外「その他作家」、「映画評論家のベスト」 ※2022年12月21日追記:文字数制限のため「日本勢」リンク集独立 ●海外勢811名 ・クリストファー・ノーラン.2・ ・クリント・イーストウッド・ ・ナンシー・マイヤーズ・ ・ポン・ジュノ・ ・ジェームズ・マンゴールド・ ・ビル・コンドン・ ・スティーヴン・チョボウスキー・ ・アントワーン・フークア・ ・ヴィドゥ・ヴィノード・チョープラ&ラージクマー…
●全3項目 ●代表作 ●アレッサンドロ・デ・ローザ「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」2022/10/26より16本 ●アントニオ・モンダ編「エンニオ・モリコーネ、自身を語る」で言及した主な映画8本 「山猫(ルキノ・ヴィスコンティ)」より ●全3項目 ●代表作 音楽「夕陽のガンマン」、 「ニュー・シネマ・パラダイス」、 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、 「善玉・悪漢・卑劣漢(続・夕陽のガンマン)」、 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト(ウエスタン)」、 「荒野の用心棒」「遊星からの物体X」、 「アンタッチャブル(ブライアン・デパル…
オードレイ・ディヴァン(Audrey Diwan)による2021年作『あのこと(Happening)』について。 シンプルな物語構造によってサスペンスを維持する、『ゼロ・グラビティ』のようなアトラクション映画であり、そのアトラクション性によって中絶が違法だった時代のフランスで妊娠した学生の孤独な戦いを観客に体験させる映画。ロングショットかつ長尺ワンカットの撮影によって、カメラが主人公の主観と同期したような映像になっていて、さらに主演のアナマリア・バルトロメイの演技が凄まじく、その発する感情や感覚、意志をも主人公と一体化したかのように体験させられる。 中絶が合法化される1975年以前のフランスが…
全5項目 ●代表作 ●「lacinetek.com」の「La liste de Philippe Garrel - LaCinetek」より48本 ●「lesinrocks.com」の「Philippe Garrel : “Par moments, le cinéma a construit ma vie. A d’autres, il l’a détruite”」で語った主な映画34本 ●鈴木布美子「映画の密談―11人のシネアストに聞く (リュミエール叢書 (18)」より6本 ●「lesinrocks.com」の「Philippe Garrel: entretien avec un être…
五月革命、そして愛の終わりについてのオムニバス。最後に置かれたマルコ・ベロッキオの作品が直接的に五月革命渦中についてであり、その前のゴダールの作品が五月革命もしくは愛の終わる瞬間について、ベルトリッチがより大きく愛のある世界の終わりについて、パゾリーニとカルロ・リッツァーニはそれ以降の愛の失われた世界についてという形で、全体としてみれば作品が進むごとに五月革命に向けて時間を遡っていく構成となっている。五月革命=愛というわけではなく、愛、和解の可能性を信じられた最後、一つの理念に向けた団結の可能性が信じられた最後が五月革命の時期と言う方が近いのかもしれない。ゴダールの作品は『気狂いピエロ』の語り…
www.hulu.jp Hulu配信中の『新・オスマン帝国外伝』シーズン1の38、39、40話は、太皇太后サフィエが皇帝アフメトを出征中の戦場で暗殺し、アフメトと異母兄弟に当たる幼いムスタファを皇帝に就かせ自らは摂政として帝国に君臨しようと反乱を企てたエピソード。イスタンブールのトプカプ宮殿内での戦闘場面は迫力あり、息を呑んだ。アフメト暗殺は失敗に終わったが、宮殿内部では皇帝崩御とのデマを信じた兵士らの反乱参加により、企ては成功まで一歩であった。夜明けとともに皇帝就任式の段取りが進行、サフィエは後宮内で力を得つつあった寵妃キョセムに絞首刑を宣告、地下処刑場に連行されキョセムの命は風前の灯火。サ…
220716 LA BALIA (乳母)1999 イタリア 監督:マルコ・ベロッキオ 原作はイタリアが産んだ偉大な劇作家、ルイージ・ピランデッロ(1867-1936)です。 ⬆︎見るからに古臭いポスターと思ったら、1999年の映画でした。出演作、何本も見ているタイトルロールのマヤ・サンサが若いわけです。この人、目力がすごく一度見たら忘れられない強烈な印象を見る者に残します。ローマ生まれ・育ちですが、純粋なイタリア人とはちょっと違うなと感じてたら、イラン系なんです。確かに中東風の目鼻立ちではあります。ま、それはともかく・・・。 時代は前世紀初頭のローマ。裕福な精神科医、モーリ先生のところに子供が…
オンライン上映のマルコ・ベロッキオの99年作『乳母』を見た。「自由よ!」「自由な女でいてくれ」がまず記憶に残る。次に比べるべきじゃないだろうけど『ベイビー・ブローカー』より赤ん坊が映画の中にちゃんといるというか、ベロッキオの映画でよく見る夜中の寝静まった頃に忍び込む人や、ささやき声や、そもそも映ってること自体の緊張感(ジプシーが近寄ってきて、一方でヴァレリア=ブルーニ・テデスキは乳母を陥れようとしているんじゃないかというほど戻ろうとしない時の怖さと距離感)や、乳母に字の読み書きを教える一方で赤子のあやし方を教わる時に父親の精神科医の歌が「そんな子守歌の歌詞があるか?」とツッコミたくもなるが、そ…
早稲田松竹にて高畑勲二本立て。つい数年前に初めてまともに見たくらいの恥ずかしい野郎が言っても説得力はないが『平成狸合戦ぽんぽこ』、狸を轢き殺して、自分がタヌキになったつもりで生きている自分含めた人間は全員この映画を見て下唇を噛みながら泣いて懺悔するしかないのか。『ぽんぽこ』と違って、そこまで好きでなかった(というよりラストが何となく怖い)『おもひでぽろぽろ』も見直して、当然のように感動する。現在パートの「故郷」が単にほうれい線の目立つアニメとしてではなくて、「百姓の音楽」にあわせて描かれる紅花摘みの光景が平然と国境を越えて、何もかも日本の現実を映すだけではありえないというのに圧倒される。こうし…
アベル・フェラーラ『トマソ』を見る。このサイトで配信されているものを見たのは、ようやく三本目。ラドゥ・ジュデが終わったら解約かもしれない。フェラーラの映画自体、上映やったりやらなかったりだから、でも『地球最後の日』や『ハニートラップ』(ドパルデュー主演の傑作)あたり一年に一本くらい見れた気がしたが。とはいえ『キング・オブ・ニューヨーク』とか『バッド・ルーテナント』とか特に繰り返し見ていないから漠然としか覚えていない。でも『パゾリーニ』くらいはBunkamuraでやってほしいのに、まだ上映されない。海外版を買って見た『パゾリーニ』と同じく『トマソ』もイタリアが舞台だった。そして『パゾリーニ』に続…
全6項目 ●代表作 ●「sight&sound」の「批評家が選ぶオールタイム・ベスト 1952(Critics Best Films 1952 Sight and Sound)」より10本 ●「カイエ・デュ・シネマ(Cahiers du Cinema)」の「Jacques Doniol-Valcroze 10 Best Films Cahiers du Cinema 1954-1968」より171本 ・「アメリカ映画史上最高の“音”の映画10本(The Ten Best American Sound Films)」10本 ・「パリ解放後のフランス映画ベスト6(Six Best French F…